目標への情熱

はじまり 3

さて、生活保護を頂くことになって、物事のスピードが加速されるようになった。
生活の為の必要が減った分、夫が以前よりビジネスの準備にかける時間が増えたのだ。
それは大きな一歩だった。

私たちは山で暮らし始めてからそれまでの数年間は税金を申告したことがなかった。
入ってくるものが少なかったので、ことさらその必要も感じなかったのだ。
けれど、あくまでもそれはこちらの言い分。
こうしてカリフォルニア州からお金をもらう以上、自分たちも義務を果たさなければ、とその年は税金を申告することにした。
そうすると案の定、払うものはまったくなかった。それどころか子供が3人いるおかげで またしても州から貰うものがあることがわかった。しかも数年前までさかのぼって請求できるとかで、私たちのもとには まとまったお金が入ってきたのだ。
それがビジネスのための資金の一部になったのは言うまでもない。

また WEST COMPANY でビジネスセミナーを受け、ビジネスプラン、キャッシュフロープランを作り、ローンの申請もした。
50万円、10%の金利だったけれど、私たちのアメリカでの初めてのローンだった。

それまで、私たちは預金もなかったけれど、借金もなかった。カードを持つ、というアイデアも このカード大国のアメリカにおいても何故か持っていなかった。

社会人として、「カードをもち、それを使い、月々の支払いをしていく」ことで 信用という記録を残していく、ということをまったくしてこなかったのだ。

記録がないので、今さらカードの申請をしようとしても却下されるばかりだった。
その記録のはじめのとっかかりを作ってくれたのが、このWEST COMPANYのローンだった。
思えば、生活保護を受けている、英語力も怪しい日本人カップルに 何の担保もないのに 50万円とはいえ、よく貸してくれたものだと思う。

子供が歯医者に行く必要があった、たったそれだけのことが、まるですごろくを進んでいくかのように、その気のなかった妻に ビジネスへの初歩のスキルを身につけさせ、多くの人脈を得、資金の一部を得た。

そのスタートは、夫の「レストランをやる」と決めた、情熱だったのだと思う。


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by S_Nalco | 2010-08-29 16:03 | はじまり
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