4年目 Ⅲ


レストランのお隣はブランド品や、セレクトされたセカンドハンドの洋服屋。
お客さんが仕入れも購入もしてくれる、というシステムで、従業員もいないし、しかも在庫の洋服は腐らない!
子育てを終えた陽気な女性がひとりで営んで、毎年2回は店を閉めて旅行に出かけるし、店の前に椅子を出して小説を読みふけっている彼女の優雅な姿を見ると ああ、なんていいビジネスしてるんだろう、と横目で見ている自分がいた。

けれど自分で商売をしているとはいえど、聞いてみると毎月のプロフィットというのは副業範囲でしかないことがわかった。それに客観的に見てみれば、うちの店のほうが断然お客さまの笑顔が多い。
貢献度が違うのだ。
それが、気に入れば何回でもリピートできるレストランビジネスのいいところ。
服は一度買えば、何年も着るけれど、人は食べても食べてもお腹が空くものだから。
お客様が喜んだ回数の多さで店の売上は決まってくる。
そして、と思う。
そして、次は働いてくれる人が益々ここで働くことに誇りを持てるように、就労環境をグレードアップしていきたい。店の外からも、内からも溢れる笑顔で満たしていきたい。

そんな頃、私はとある町の韓国人が経営する、アジアンマーケットで湯呑を見つけた。それには「商売十訓」が書いてあった。

一、損得より先に善悪を考えよう
一、創意を尊びつつ、良いことは真似よう
一、お客に有利な商いを毎日続けよう
一、愛と真実で適正利潤を確保せよ
一、欠損は社会の為にも不善と悟れ
一、お互いに知恵と力を合せて働け
一、店の発展を社会の幸福と信ぜよ
一、公正で公平な社会的活動を行え
一、文化のために経営を合理化せよ
一、正しく生きる商人に誇りを持て

かっこいい!
ミーハーのように飛びついて買って、夫へのお土産にした。後日、湯呑を見た知人が 言う。
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「神様経営だね、これって」。
そういえば、経営の神様と呼ばれる松下幸之助さんも沢山の著書の中で、総じて言えばこういうことを言われていたな、と思い出した。
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by s_nalco | 2010-09-21 18:14 | 成長
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