3年目 Ⅳ 

動機

そのときのことは 5年たった今でも忘れられない。
プレゼンテーションの前の晩遅くまで ミニマートになる予定の場所をパーティ会場に様変わりさせていた。使うはずだったテーブルクロスが傷んでいたので夫と二人で夜遅くに近所のウォルマートまで買いに行ったんだった。

ほんとうにこの計画が成就するのかどうか、未知への期待でいっぱいだった。けれど、ナポレオン・ヒル プログラムの中にある、「他人の財産を活用する」という章をタイミング良く読んた後だっただけに すごくわくわくしていた。もちろんこのわくわく、の中には思いっきり どきどき、もあった。

実はこのパーティにあたって、私がひとつだけ自分で考えていたことがあった。それは来てくれた人に、私たちの真実を話す、ということだった。それはこのレストランを始める時、その動機となった夫の気持ち。私が家族で一緒に夕食を囲みたいから、レストランを始めるのは嫌だ、と言ったにも関わらず、「来てくれる人、皆んなが家族と思えばいい」と答えた彼の言葉こそが、始まりだったこと。それが私たちのこのビジネスの真実だと思っている。

もし、この真実がただ単に、お金儲けのために、だけだったら、こんなにも誰かが協力してくれただろうか。

それまで誰にもこのことを話したことはなかったけれど、それは見えないけれど確実に、ずっと店とともに在り続けている。そしてこれからも店を引っ張っていくだろう。

パーティが終わった後、私は、ジョンに思いっきりハグしてお礼を言った。
彼は私に、
「Nalcoの最後のあのスピーチが全てを決めたんだよ、皆んなの心に入っていったよ、おめでとう」
そう言ってくれた。

人々の信頼と善意、それらが現実に 私たちへの融資となって現れたこと、それを直接体験できたことが私には大きな幸福だった。
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私はこのメンバーに 「GOEN(ご縁)グループ」という名を付けて、以来お付き合いさせて頂いている。メンバーの一人のリサは新規のお客様を連れてたびたび店に来てくれる。そしていつもワインのツマミに話すのはこのときのことだ。「彼らはたった二時間のうちに 店のスシとワインでもてなしながら500万円を手に入れたのよ!」

また店の伝説ができたようだった。
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by s_nalco | 2010-09-21 18:18 | 成長
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