商品を愛する気持ち

素敵なお店を見つけた。

町の山手の住宅街の中のこじんまりとした グロサリーストアー。
沢山の人から「いい店だよ、」と聞いていたのに なかなか行く機会がなかった。今日、たまたま通りかかって寄ってみた。

生花、野菜、パン、ジャム、お菓子、香辛料、お茶、コーヒー、ワイン・・・・
およそありとあらゆる食品関係のものが、少しずつ棚にならべられている。

冷蔵庫には、地元の店から取り寄せたサンドウィッチ、サラダ、キッシュやチーズケーキなどのデザート。
見たところ、店主の、食品のこだわりコレクションとも言える。
主題は、オーガニック、ローカル、ヘルシー & ユニーク。

私の店のことを誰かが
「今ある場所と繋がっている」と言ってくれたことがあるけれど、この店こそがまさにそう。
地元を愛し、きちんと生産しているスモールビジネスを支援し、お客に届けている。

私が瓶に入ったシーソルトとコンブのブレンドを手に取って見ていると、店主が言う。

「彼らは海が大好きで、海辺に引越してきたんだよ。何か海に関する仕事がしたいと、夫婦ふたりで始めたのがこのビジネスなんだ。トラディショナルな製法できちんとしたものを作っているよ」

そう言って会社のパンフレットを手渡してくれた。

買い物をしている間も、サンプルのハーブに漬けたオリーブや、チーズを勧めてくれた。これらの商品にも、彼の思い入れのもとになった、会社や、人々のストーリーがある。

小さな店なのに、奥のまとまったスペースには、お客が集まれる場所、憩える場所、としてどっしりとしたオークの大テーブルと椅子が置いてあるのも嬉しくさせる。奥さんの描いたという水彩画も飾ってある。

「こんなに沢山のいいものを見つけて来て、ずいぶんなエネルギーを注いでいるんですね」
ご主人のしごとを称える、尊敬の気持ちでそう言った。

「大きなスーパーマーケットができるまでは、こんな小さな店がいくつも通りにはあったんだよ。だけど、ここが最後になってしまったね」

私がこの町に引っ越して来た時には、この店はただの酒屋だったと記憶している。それを1年半前に現在の店主が購入し、こんなに商品に対する愛情たっぷりの店ができた。

話しが弾んだので、私も店を持っているのだと、自己紹介すると、彼のほうでは私に気づいていたようだった。白人とメキシコ人が殆どのこの町では、アジア人の私はけっこうすぐに覚えてもらえる。

「知ってるよ、僕は君の店が大好きだから、おスシをここで売りたいと思って電話したことがある。断られたけどね」
笑顔でさらりと言う彼の顔を見て、思いっきり急いで記憶のページをめくる。
そういえばマネージャーがそんなことを随分前に言っていた。何で断ったんだっけ?思い出せない。

「そのときには、人手が足らないか、こちらの不都合があったんでしょうね。でも、ぜひこんな素敵なお店の一部として、うちのおスシもおいてもらえたら、本当に光栄です」
心からそう言った。
そして握手をして、連絡先を交換した。
行き違いはあったけど、彼とはきっと こんなふうな出会いをまず、しなければならなかったのだと思った。

今日、私が購入したのは、サンプルで試したアップル・バルサミック・ビネガーとチェダー・チーズ、オーガニックのジンジャーブレッド・スパイスチョコレート、地元の農家からのほうれん草とトマト、オーガニックエッグ、かぼちゃの種のスナック、長さが50センチで幅が1.5センチのパスタ(どうやって食べよう!?)。

いい店というのは、そこを後にしたあとも、何かしら優しいものが心の底に残る。
店主の笑顔、信念、愛情のこもった仕事、繋がりを大切にするビジネスのあり方・・・

これから当分はこの店の色んな意味での探索を楽しみに、買い物ができそう。
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おいしい~!
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by S_Nalco | 2010-11-06 14:23 | コミュニティ
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