お好み焼きソース

「出されたものは、何でも感謝して頂きなさい」と小さい頃から教わる日本人から見れば、
アメリカ人の
「食べません」は、カルチャーショックだと思う。

日本では、出されたものが食べられないと、相手に対しておおいに恐縮するけれど、
「食べない」ことが正当な言い分であり得ることを、私はここで教わった。

宗教上の理由で食べない、
アレルギーの素になるものを食べない、
個人の選択によるもので食べない、
それに便乗して、子供たちが苦手なものを「食べない」と堂々と、権利の主張のように言う。

だから、普通こちらでは誰かを食事に招待する時、「何を食べませんか?」と聞く。
そうでなければ、もてなす側は大変なストレスに見舞われることになるから。

店ではアレルギーで食べられない、と言われる最大のものは、
「小麦」、「そば」、「玉子」、「エビと蟹」。

個人の選択によるものでは、
「ベジタリアン」(肉、魚を取らないこと)、
「ビガン」(肉、魚と卵などの乳製品を取らないこと)、
「サトビック」(ニンニク、玉ねぎ、ネギを取らないこと)。

「食べない」だけでなく、自分流のアレンジのリクエストも「個人の尊重」のようで、
付け合わせの野菜、天ぷらの野菜、ソースの種類、巻き寿司の具・・・・
スタンダード・メニューはお客によって変化する。

「ローカルなものやオーガニックを使って欲しい」
「魚は養殖ではなくて、なるべくワイルドを」
そういうことはすんなり共感できても、お客様がこれほど自分の好みに忠実であるという事実に、
はじめ唖然とするばかりだった。

それならば、と始めたのは、
「お客様に、NOと言わない」作戦。
どんなリクエストにも答えてしまおう、と決めた。

そのおかげで、現在は小麦粉、乳製品の入っていないデザートが充実し、
小麦の入っていない品目のメニューを作った。
もともとベジタリアン向けのメニューが多かったし、おスシも玄米が白米を選べる。
海苔が嫌いな人には大豆で作った代用品が市販されているので、それを使う。

その結果、それを目当てで来てくれるお客様も増え、感謝の声も沢山届くようになった。
どうやら「個人の好みに忠実である」ことは ここアメリカでも外食の際には大変な思いをするらしい。

経験を積んで、今ではどんなリクエストにも ゆとりをもって対応できる。
けれど、ひとつだけお断りしているものがある。
それは、お好み焼きを小麦なしで、というリクエスト。

麺をライス・ヌードルにしたり、生地の小麦粉を他のものに代用することは出来ても、問題なのはソース。
愛用している「広島おたふくお好みソース」には小麦が入っている。
初めは違うソースも作ってみた。
お客様には好評だった。
でも、私たちの大好きなお好み焼きではなくなってしまう。

広島風お好み焼きだけは、私「個人のこだわりに忠実」で当分いかせてもらおうと思っている。
(でも、おたふくソースさんが小麦フリーのソースを出してくれるといいですね、
需要はますます増える一方ですから!)
[PR]
by S_Nalco | 2010-11-08 16:12 | メニューの周辺
<< またどこかで。 テイクアウト店のオープン 2 >>