人を雇う

キッチンは別としても、
ウエイトレスの仕事はいわゆる腰掛で、
長くても3年から5年、と思っている。

学生時代のお小遣い稼ぎ、
子供が小さくて、フルタイムの社会復帰はまだ無理だけど、
とりあえずアルバイトをという主婦、
次のステップのためのお金を貯めるために、という人。

「何かのため」に、
とりあえずウエイトレスをするのが一般的な動機。

けれど、その腰掛期間の間にでも、
お客様をもてなす、というホスピタリティを学ぶことは
その人の人生に必ずプラスになると思っている。

そんな中、
これまで面接をしてきた人はかなりの数になる。

初めは、複雑な仕事ではないし、
誰にでもできると思ったので、
笑顔があって、
朗らかな人を採用していた。

仕事は教えれば誰でもできるけれど、
性格は変えられない、と。

けれど、実際のところどんなに人あたりが良くとも、
ウエイトレスが向いてない人、というのも存在することもわかった。

あと、他の従業員とうまくやっていけない人、
常識的なことへのラインが低い人。
学習意欲に乏しい人・・・。
自分の店に合った、
「人」を見つけ出すのはなかなかに難しい、
ということがわかった。

サービスは「独り言」
ホスピタリティは「対話」

そう書いているのは
ニューヨークのトップレストランの創業者、
ダニー・マイヤーで、
彼の「おもてなしの天才」ダイヤモンド社 
にはホスピタアリティの能力についての
「人のスキルにおける5つの核」を紹介している。

1 楽天的な温かさ・・・ 心からの親切心、思いやり、お客様の必要に「気づく」センス。

2 知性・・・ 頭がよいだけでなく、学ぶことそれ自体を目的に、学びに飽くことのない好奇心を抱く。

3 仕事に対するモラル・・・ 自分にでき得る最高の仕事をするという生来の傾向。

4 共感・・・ 「他人がどう感じるか」と「自分の行動が他人をどういう気分にさせるか」を意識し、気遣い、結びつけて考えること。

5 自覚と誠実さ・・・ 何が自分をその気にさせるかを理解し、正しいことを誠実に最善の判断のもとにおこなう責任をもつこと。

でも、これら、5つの核を、
一人の人がどの程度持っているのかを知るのが難しい。

うちでは、3ヶ月のトレーニング期間があり、
それから正式な採用にしている。

他の店では、ダメと思ったらどんどん辞めさせて、
新しい人を試すらしいけれど、
私はそれができない。

時間はかかっても、
性格の良い人ならば長い目で見て、
店に貢献してくれるというパターンが今までにあったし、
一度引き入れて、相手が諦めずに続けるなら、
こちらとしても面倒を見たい、という気持ちがある。
だから3ヶ月のトレーニング期間を何回も更新して、
辛抱強く指導したこともあった。

それでも、何ヶ月か後に、
「やっぱりだめだった」ということに
なるべくならないよう、
初めの面接に気を使う。

直感で、「OK!」と感じる人はもちろん話を進めるけれど、
「No」という場合にでも、
自分の直感に自身がもてなくて決断できなかったりする。

直感なので、根拠になる理由がない、というのは厄介だ。

一緒に面接するマネージャーはOKを出すのに、
私はYESと言えないとなると、おおいに困る。

けれど、そんなことを繰り返しながら、
自分の直感通り、
「NO」にしておけば良かった、
と後悔することが何度か続けてあった。

「No」であれ、
「YES」であれ、自分の直感を大切にすること。

それ以来、私は履歴書に日本語で小さく、
相手の第一印象、
面接の時の印象、
などを書きこむようにしている。
そうしていくうちに、自分のあらゆる直感が、
何を私に伝えようとしているかが 
もっと明確にわかるようになるのではないか、と思っている。


サービスは「独り言」
ホスピタリティは「対話」

この違いがほんとうにわかる人に
どんどん集まってきて欲しいと思う。
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by s_Nalco | 2010-12-21 18:01 | ホスピタリティ
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