生姜の甘酢漬け

ニューヨークのあたりでは、
子供達の肥満防止として、
学校に設置されている自動販売機のコカコーラを、
フルーツジュースなどに代えていく方針だと、
数年前のニュースで読んだことがある。

私の住む地元の、公立中学、高校では、
いまだコーラや、ペプシが自動販売機に、
カフェテリアではハンバーガーなどの 
どうみても育ちざかりの子供にはいまひとつ、
と思うようなメニューが目立つ。
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(地元高校の体育館ロビーにある、ソーダとお菓子の自販機)

アメリカ人口の30パーセント以上が肥満、
というデータがあるにも関わらず、
子供の通う学校からしてこんなでは、
肥満人口は益々上がるばかり、
という気がしないでもないが、
それでもうちの店に来てくれるお客さんは 
ときどき私たちのほうを教育してくれるほどに、

「自分の口に入るものがどういうものか、
それを食べることで身体に与える影響はどんなものが」

という意識を徹底的に持っている人も沢山いる。

魚、肉、野菜がそれぞれどこから来ているのか、
ローカルのものを使用しているか、
有機か、魚は養殖か、ワイルドか・・・

何も聞いてはこないお客さんだって、
町の自然食品店におスシやどんぶりものを卸している、
うちの店なら大丈夫、と信頼して来て下さっている 
健康志向の常連さんが多い。

だから、おスシについてくる、
生姜の甘酢漬け(ガリ)にアスパルテームという
人口甘味料が使われていることを 
数人のお客さんから指摘されたときにも色々調べてみた。

この人工甘味料はアメリカ、日本、ヨーロッパで
30年近く前には認可され、
日本ではソーダやスポーツドリンクにも使われているにもかかわらず、
今だ安全性については不安を持つ人も多く、
実際に不安要素が存在することも否めないらしいことがわかった。
要するにMSGの存在に近いものがあると思った。

けれど、砂糖の代わりにこの人工甘味料を使うことで
劇的に長持ちすること、コストを低く抑えられることから、
アメリカではアスパルテームを使ってない生姜の甘酢漬けは
業務用には
流通されていないことがわかった。

それでメニューにはそのことを明記した。


もちろん、ハウスメイドを考えたこともあったけれど、
甘酢漬けは新生姜で作るもの、という思い込みがあったので、
それが手に入らず作れずにいた。

それがある日、ふと思い立って、とにかく普通の生姜で作ってみた。
米酢、砂糖、塩だけの調味料で、
とびきりシンプル、
無骨な歯触りの酢漬ができた。

けれどこれに、まず店で働くスタッフがとても喜んでくれた。
そしてウエイトレスがオーダーを取るたびに、
お客さんにこのハウス・メイド生姜を
「自慢」
してくれたお陰で、
アスパルテーム入りのに比べると、
なんだか田舎のおっちゃんがどてらを着て出てきたような感じのする、
生姜の甘酢漬けは
うちの店で無事にデビューを果たし、
沢山のお客さんに喜んでもらっている。
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もちろんこれまで通りの 
すっぱさよりも、甘みが引き立つさらりとした 
無料でついてくる生姜でいい、と言う人が今はまだ大半。

けれど、生姜という素材も、甘酢漬けも、
身体にいいからと、ガリを子供に勧めていたお母さんや、
妊婦さんには特に、
「ハウス・メイドもありますよ」、
と選択肢をあげられることで、
ひとつ、抱えていた矛盾が消えたと思った。

子供たちは大きくなれば、
親がそれまでどんなに頑張って 
「食」に気をつけてはいても、
ちまたに溢れるジャンクフードを食べる機会にさらされる。
だから、特に、6歳までの子供には、
できるだけシンプルで、本当の味、健康的なものを与えたい。
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by S_Nalco | 2011-05-23 15:42 | メニューの周辺
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