重ね煮

「重ね煮」、
という調理法があるのは聞いていたけれど
詳しい作り方をYUTUBEで見たときに、
「あ、これ知ってる」
と思った。

いつだっただろう。
どこでだったか、本で見たのだったか、
友達に聞いたのだったか、
実際、自分でも実践していた時期があった。
子供たちが小さいころ、
離乳食を手作りの豆腐や、味噌で作り、
手に入るものは有機の野菜で、
そして玄米菜食に切り替え、
マクロビオティックの本を読んでは食事を作っていた頃、
もう10年以上も前。

YUTUBEで「重ね煮」の作り方を教えているのは 
「重ね煮」研究家の戸練ミナさん。

実はこの映像を見たとき、
私は「重ね煮」よりも、
この料理家のほうに心がいってしまった。

「重ね煮」研究家なのだから当然だと言ってしまえばそれまでだけど、
素材を労わる気持ち、
自然の恵みの前に謙虚でいる「いただきます」、という気持ち
そういった「重ね煮」フィロソフィーと一体化してしまっている笑顔に目が釘付けになってしまっていた。

彼女は「お野菜さん」と呼び、
「にんじんさん」と呼び、
「重ね煮」が陰陽の考えからきたことでも、
「お野菜どうしが仲良くなりやすい重ね方」、
と、平易な言葉で、説明する。

「心を込めて料理をする」
と人は普段から口にするけれど、
では、心を込めて料理する、とはどういうことなのか、
それを具体的に説明しているのがこの料理法であると思う。

「心を込める」というのが、
人間側だけの、一方通行ではいけない。
それは、素材にとっても、
食べる人にとっても、
作る人にとっても、
平和な気持ちをもたらしてくれるものなのだと、
改めて感じた。

そして真に「心を込めて」料理すると、
どういう結果になるのか。

ミナさんが、
言うように、
心があったかくなる人、
子供たちがたくさん食べたり、
体調がよくなったり。

「こんなに心を込めて料理してくれたら、
おいしくならなきゃね、ってお野菜さんたちが
ぜったい思ってくれるんですよ」

なんて楽しい考えだろう。

お野菜を全部切って、鍋に入れて、火にかける前にするお祈りがある。

「天地(あめつち)のお恵みと、
これを作られた方のご愛念に感謝して料理させていただきます。
この食べ物が私たちの身体の中に入って、
自他ともにお役に立ちますように。
ありがとうございます。」

このお祈りは頂きだな、と思う。

今年、日本でも、アメリカでも、
お肉や、まさかのキュウリやメロンまで食中毒の原因になった。

カリフォルニアでは来年から、
レストランなどフードに関する仕事に着く人、全員に
「Food Handler Card」の取得が義務付けられて、
皿洗いの人でもフード・セーフティについての知識が必要とされるようになった。

食べる人と、提供させて頂く側との信頼関係、
それを深く心に留めてみれば、店に携わる人全員が心して、
食品衛生にアテンションしていく義務付けは当然と思う。
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食品衛生の知識と実践、
素材への感謝の気持ち、
食べてくれた人の笑顔、
作らせて頂くことの幸せ。

「重ね煮」の思想に触れて、
食べる、
命を頂く、
ということを改めて考える。
そしてそれは沢山の人へ食事を提供するレストランだからこそ、
うちのスタッフ、ひとりひとりに
同じように考えてみて欲しいと思った。
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これは基本の重ね煮。
先日、友人の畑でとれた沢山のトマトを玉ねぎと重ね煮したら、
家の外まで甘くて柔らかい匂いが立ち込めた。
これが本当の野菜の香り、と思った。
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by S_Nalco | 2011-11-07 14:48 | メニューの周辺
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