お土産

プランにはなかったことだけど、
理由あって、会社を株式会社にすることが決まった。

去年から準備していたけれど、
今ひとつ自分の中ですっきりしなかった。
何が、って
「株式会社のしくみ」、
という500ピースくらいのパズルが
半分くらいしか仕上がってなかったから。

「株式会社にする、っていうことはね、
経理上での考え方を これまでの商売の考えかたから
100%入れ代える、っていうことなの」

いつもお世話になっている会計士さんから
そう言われた。

考え方だけではない、
実際変えなければならない手続きも沢山ある。


仕事を頼んでいる弁護士さん
(日系の事務所に頼んだので、日本人)に
時間をとってもらって、
電話で私が用意した
株式会社に関する質問にも
ずらずらと応えてもらった。

それでパズルのピースが
ずい分埋まったけれど、
全体が見えるのはまだだった。

保険会社に行って、労災保険の新しい見積もりを取ってもらったり、
アルコール・ライセンスの移行について問い合わせたり、
一つずつ、地道なパズルのピースをはめていくも、

私の頭は「個人商店」の域を出ない。
うちの父も、義父も個人商店をやっていた。
「株式会社」とはこれまで縁はなかったのだ。

こんなイレギュラーな仕事は

一気に片付けてしまったほうがいいのはわかっていても、
年度末の税金のことがあったり、お役所仕事なこともあって
なかなか進まなかった。

それが先週の
会計士さんとの「最終打ち合わせ」で、
やっとパズルが全部はまった(と、私は思った)。
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「あ、そうだったんだ、
これでわかったわ!」

パズルが仕上がってしまうと、
それはとてもキレイな絵を見せてくれて、
途上の混乱はすっかり過去のもの。

はしゃぐ私を見て、
会計士さんが言う。

「これからもわからないことがあれば
いつでも聞いてちょうだい。
同じことを何度でも聞いていいのよ。
そうやって、しっかりと知識を自分のものにして、
その知識を活用しながら、
あなたの会社が益々繁栄していくところを
私は見たいの」

何ていう慈悲深い言葉なんだろう!
私は思わず彼女にこう返した。

「なんてあなたは親切なの、
私なんてね、
仕事でスタッフが何度も同じことを聞いてくると、
何で、ちゃんとメモをとっておかないのかしら、
ってイラついてしまうのに。
あなたに比べたら、これまでの私って、
どこか意地悪だったかもしれないわ」

話がひと段落着いて、
お水を口に含んでいた彼女が、
突然の私の懺悔の言葉を聞いて、
吹き出すのを必死にこらえていた。

そして、ふたりで大笑い・・・!

でも、ほんとうにそう。
仕事では、私は何度も同じことを聞かれるのが嫌で、
(言い換えれば同じことを言うのが嫌)
伝えなければならないことは
ほとんど文書にして、リスト化しているくらいなのだ。

(そういう私は 私生活では
抜け落ちていることが多くて、
「これ、前にも言ったよ」と子供達に呆れられている)。

でも今回ばかりは
メモを取って、
家に帰って復習するも
二人でやったときには
わかったつもりのシュミレーションが
一人でやってみると、「?」だったりして、
何度も彼女に確認することがあっても、
彼女は本当にいつも親切だった。

ああ、私ももっと慈悲深くならなくては・・・
心から反省した。

株式会社への道がまっすぐに見通せたことが、
私の仕事にとって最も大事なことでも、

仕事がなければ、
出会えなかった人たちと、

仕事を通して、
相手の誠実な気持ちを受け取ること、

この、お土産こそが
夜眠る前に思い出しては

私を再び幸せにしてくれる。
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by S_Nalco | 2012-02-27 18:11 | コミュニティ
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