グラジオラス

最近入ってきた20代前半の男性は、
見かけがなんだか漫画チックで
ロックなかんじ。
(プレスリーみたいな髪型で・・・笑)

皿洗いで来てもらっているから
私はちょっと遠くから眺めている。

初めて仕事に来た日、
ダイニングのマネージャーが夜遅くに電話してきて、
何事かと思えば、
彼の仕事ぶりが 
IMPRESSIVE! (すごくいい!)
だと興奮して・・・(笑)。

キッチンに入る人は
どんな人でも一度は皿洗いをやってもらう。
そうすると、
たいていのことはわかる。
仕事に対する態度、
最後まで仕事をきちんと終えることが出来るか、
手際はどうか、などなど。

皿洗い、決してあなどれない。

それがダイニングのマネージャーだけでなくて
一緒に働く他のみんながすでに、その彼を
「大好き」で。

そんな光景を眺めていた。

近所の大手スーパーマーケットでの仕事を
メインにして働いているので、
うちに来るのは週2日の夜だけ、
と聞いていたのに、
いつしか毎日彼の顔を見るようになった。

どうしたの?
と、キッチン・マネージャーにたずねると、
スーパー・マーケットは辞めて、
うちをメインにして働くことにしたんだと。

「それはうちにとってはGOOD NEWSね。
 でも、何故?
 あちらのほうが、いろんなベネフィットがあるし、時給もいいんじゃないの?」

再度たずねると、

「あっちには リスペクトがないんだってさ」、と。

そうか、
そういう理由でうちに来てくれるのか、と思った。



昨日、
お店のためのお花を買ってきて、
とりあえず、バケツに全部 入れておいた。

店内のための色とりどりのグラジオラス。
バスルームのための、
これが今年最後になると思われる小さな顔したヒマワリの束。
店の外に出してある、5つのテーブルのための オレンジ色のカーネーション。

活けるために花びんを出して用意していると、
仕事を終えて帰り際だった、彼が立ち止まって言う。
「花がすごくキレイだね!
僕はとくにこの花が好きなんだ」
そう、グラジオラスを柔らかに撫でながら言う。

ロックななりで、
およそ彼がそんなことを言うなんて思ってもみなかったのに、
それがあまりにも自然で、心からの言葉だと思えて、
なんだか不思議だった。

そして彼がここで働くことに決めたことは、
ごく自然なことだったんだと腑に落ちた。

昨日の、
グラジオラスに触れた彼の手の温かみが
こちらにも伝わってきそうで、
今日も、そのことを思い出すだけで
私の心はほっこりする。
[PR]
by S_Nalco | 2012-10-11 02:42 | 日記
<< 日本町にて 自分の居場所 >>