10年ぶりの再会で

今年も終わりになって、
会いたい、会わなくっちゃ、
と思ったのが、
10年前、店をオープンさせる前に会いに行ったMさん。

彼女は23年前にサンフランシスコ近郊の町に
ビジネス・パートナーと一緒に
日本食レストランをオープンした。

競争の激しいその地域で、
開店以来、いつも人で賑わう人気の店、
Mさんは今でもそこで接客をしている。

アメリカに来たばかりの頃、
しばらくの間 夫が働いていたことのある縁で、
店のオーナーで、二人の子供の母親でもある彼女から 
話を聞いていたお陰で、
私は自分がレストランを始めるときに 
ずい分と参考になるところがあった。

それで、来年、
私たちのレストランを始めて10年という節目に、
Mさんが、今、
何を考えているのか、
もう一度ゆっくり会って聞いてみたい、と思った。



サンフランシスコに行く機会があれば、
食事をしに彼女の店に寄ることはあっても、
ゆっくり会って話すのは10年ぶり。

けれど、約束したレストランに現れた
60歳を過ぎたはずのMさんは
時間の経過を疑うほどに びっくりするくらい美しくて、
笑顔や話す感じが柔らかく、
それが彼女のこれまでの暮らしを表していると感じて、
とても嬉しかった。


「OPEN YOUR HEART!」

いつもそう、ダイニングのスタッフには言うのよ、
ウエイトレスの仕事はただ、オーダーを取ってきて、
食事を運ぶだけではないものね、

そう話すMさんは今回も、
「お客様」一筋だった。

10年前に会ったときにも、
どんなに心からお客様のことを考えているかを
彼女の言葉から察知したけれど、
10年後も、彼女は変わることなく、同じことを言う。

「色んなお客様がいらっしゃるからね、
おもてなしには、これでいい、っていうことがないの。
毎日が違うのよね。」

10年たっても同じことを言い、
それを毎日実行し、
掘り下げ、
深めていった先が
決して同じはずはない。

こんなに綺麗できらきらしている彼女には
ものすごい説得力があって、
私はなんだかすごく納得した。

彼女が生き生きしている理由、
お店がいつも沢山の人に愛されている理由、
そして私が遠くにいても、彼女にどうしても会いたい、
と思った理由・・・


「私たちってほんとにラッキーよね、
こんなに大変なことが沢山あるんだもの。
世の中にはね、大変なことがぜんぜん、ない人もいるのよ。
大変なことがあるお陰で、考え方にも幅が出てくるし、
どんどん自分が成長していけるのよね」

彼女の言う、「大変なこと」というのが
「チャレンジ」という言葉にも置き換えられると思うけれど、
こんなにあっけらかんと、
だから、
「ラッキー!」
と心から言ってしまえるほどある意味、
そこを超えてしまった人、
に会えるなんて。

最近も友達と、
「もう人生、ぜんぶ4コマ漫画になるくらい色んなこと、笑い飛ばして生きていきたいよね!」
とそういって笑っていたけど、渦中にあるとなかなかそんなゆとりがない。

けれど、こうしてそれを思い出させてくれる人が
そばにいて、
話しているだけで、
私を励まし、感動させてくれる、
彼女と、同じ仕事をしているという幸運。

ふたりでたくさん喋って、
たくさん笑って、
そして温かい話にほろっと泣いて・・・。

レストランを後にする頃には、
自分の中で、みずみずしい気持ちが
来年への展望に根付いているのがわかった。

時計を見ると3時間が経っていた。
お酒を飲まない彼女に合わせて
私もその日はレモネード。
お酒なしで3時間とは・・・!
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by S_Nalco | 2012-12-24 17:43 | 日記
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