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結婚式

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初夏もはじまったばかりの爽やかな午後に、友達の結婚式に出席した。
場所は、新婦が幼いころ暮らしたオーガニック・ワイナリー。
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広い草原のバージン・ロードをお父さんと歩いてくる花嫁。
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このシンプルなアーチの下、たくさんの花に彩られて、
感動的な式が・・・。
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披露宴は、ふだんワインのテイスティング・ルームに使われている庭で。
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各テーブルには、赤と白のワイン、ブドウやイチゴのフルーツ、パン、チーズが。
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どこを見渡しても絵になる、カリフォルニアのカントリー・テイスト。
(向こうに立って赤ちゃんを抱っこしてる男性も!)

新郎新婦には
すでに5歳の坊やと、
今年生まれたばかりの赤ちゃんも。
彼らは一緒に暮らして6年。
その月日を経て、結婚することになったプロセスを含めて、
私は心から祝福の気持ちでいっぱいだった。
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ウエディング・ケーキは花嫁のレシピ、
スイートバターとクリームチーズのアールグレイケーキ。




日本ではおめでた婚、とか言うらしいけれど、
こちらでは未婚のカップルに子供ができても 
それがいっこうに「結婚」に結びつかないところが
私にはいつまでたっても、まったく「?」なアメリカン・カルチャーだった。

50%の離婚率を誇るこの国で、
結婚はそれほど価値のあるものでなくなったとか、
それだけ、結婚に慎重になってるから、と聞いても、
若いシングルマザーが増え、
母親だけが子育ての義務を負い、
子供の父親は父親であることから逃げ、という状況を見ると、

やっぱり私の中の日本人は、
そこで「けじめ」とか、
家族をもつ「覚悟」とかいう言葉を言いたくなるから、
まだまだ頭が固いのかなあ、と自問していた。

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けれど、ここ最近は、私の周りに結婚をしないカップルが
子供を中心に「家族」を作りながら、
慎重に生涯のパートナー候補を吟味(笑)している、
そんな大人のカップルを見るにつけ、
それはそれで、賢い選択なのかもしれないと
渡米25年にして、ようやく思うようになった。

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お父さん、子供たちとダンスする花嫁。


そして中には、こんな素敵な結婚式をするカップルもいる。
見た目はまだ初々しい雰囲気で、
それでいてすでにお互いをよく知り合っている二人の結婚は、
私たちにまた違う感動を呼び起こさせる。
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だんな様の伴奏で美声を聞かせてくれた花嫁。


あんまり素敵なセレモニーとパーティだったので、
ああ、私も結婚式したい!
(もう来年、銀婚式ですが!(笑)
と、横で感動のあまりうるうるしていた夫におねだり・・・。

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それでこの頃は、子供ができた未婚カップルに
結婚をせっつかなくなった私は、
振り返ってみれば、ほんとにおせっかいなおばさんだったかな、
と反省している。
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by S_Nalco | 2013-06-14 09:33 | コミュニティ

みほさんの料理

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今年の、3月11日にあわせて、
フクシマの子供たちへの寄付を募るパーティを、
サンフランシスコ近郊に住む友人が催した。
Fukushima Baby Project

日本からやって来たシェフのみほさんは、ボランティアでこれらの料理を
20数名分、用意してくれた。

食材を現地で集めるだけでも大変だったと聞いたけど、

彼女の創作料理は延々と続くかのように出て来て・・・
(前菜とメインをあわせると20種類もの料理!)

繊細さ、美しさ、美味しさ。

ほんとうに堪能しました。


その日は、私はこのパーティを主催した友人の家に
賑やかなうちに泊まったけれど、
自宅に戻って来て一日、一日と眠るうちに、
これらの料理が自分の深くに、もっと降りてくるようだった。

ああ、
みほさんの料理は、
ほんとうにお供えものだったな、
と思う。

しみじみと、
ほんとうに一日、一日、
思い出しては、そう感じるのだった。

あまり多くを語らない、
凛とした彼女が、
このパーティのためだけに日本から来てくれて
作ってくれたものを
私はその後も当分のあいだ、今度は心で味わっていたようだった。

彼女の祈り、
このパーティに関わった、すべての人の祈り、
パーティは涙が出そうなくらい素敵だった。

あれから何ヶ月も経って、
やっとここに書けるのは、
自分の中でその体験がやっと、飽和してきたから。


消化して、
昇華したから。

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ごちそうさま、みほさん。
企画してくれたゆきちゃん、
ありがとう!
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by S_Nalco | 2013-05-26 15:17 | コミュニティ

思いを現実化する

友人が引っ越したばかりの家で
ホームパーティをするというので行ってみた。

舗装されていない山道をドライブすることおよそ20分、
何もない殺風景な細い一本道を外れて降りると大きくて立派な家が現れた。

眺めのいいオープンキッチンと、ダイニング、リビングが続き、
階下には、プールとホット・タブがブドウ畑を横に設備され、
ベランダからは山々と、彼女が作る野菜畑が見渡せる。

一人暮らしの彼女が
どうして4ベッドルーム
(彼女の部屋のクローゼットにはきっともう一つベッドが置けるくらいに広い)
もある大きな豪邸に
女王のように住んでいるかというと、
実はそこは彼女の兼仕事場。

身体のデトックスを目的にした4日間のリトリートをするための“仕事場”。

「前に彼女が住んでいたのは、
ほんとうに小さな家だったのよ、
まるでNalcoたちのようにね」

パーティには共通の女友達が多くいて、
なんだか懐かしい気持ちになる。

そして、私がレストランをする前は、
丘の上の小さな、小さな家に
家族5人で住んでいたことを知っている別の友人が言う。

そんな小さな家で、彼女はすでにリトリートを始めていたのだった。

「小さな家だからスペースが足らないとか、
言い出せば、やらない理由なんていくらでも出てくるけど、
何だかんだ言わずに、
とにかくその時にできることをやってみる、
そうでしょ?、
そうすれば物事は展開していくのよ、こんなふうに!」

そう言って、
誰もが認めるドリーム・ハウスの女主人が
家の中をツアーしてくれる。

彼女のリトリートは一度に4人が定員と決まっている。
4日間、ロウ・フードなどの食事療法を中心にして、
マッサージ、体操、腸の洗浄なども指導して、
体内の毒素を出していく。

そのリトリートのためには、
この家は機能的、広さ、景色のよさまで理想的だった。
オーガニックの野菜を堪能しながら、
心身ともにリラックスできる環境・・・、

とにかくやってみる、
行動してみる。
宇宙はいつも
あなたに「YES!」と言って応援したがっているのだから。

そんな言葉を思い出した。

「ねえ、こんな家がいつかあなたのもとに、来るのを知ってたんでしょ?
どうやって引き寄せたのよ?」

ベランダから階下に降りていく友人の背中に向かって問いかけてみた。

「もちろん絵に描いてイメージしていたわよ、
他の家に決まりそうになったこともあったの。
でも、そのときに自分のイメージを絵にしたスケッチ・ブックを開いたら、
色々妥協していたとこがあることがわかって、
その話は断ったの。

その後、すぐにこの家に出会ったのよ。
パーフェクトだったわ。
この家の持ち主だった人はすぐそばにある葡萄畑を保有しているから、
その世話や、その他のことを私がすることで、
ずい分月々の支払いがお得なの。
だからこんな家に住んでいられるのよ!」

私は彼女の話を聞いてとても感心してしまった。

私はこれまでにどれだけの妥協をしてきただろう、
と彼女の話を聞いて思った。

私も、自分の思い描くものを
書くことによってイメージしながら
プランするけれど、
提示されたものに対して
なんとなくイメージにあっていれば文句を言わずに、
というかあまり深く考えずに受け取ってきたから、
100%イメージどおり、
といかなくても、自分で理由をつけて妥協していた感がある。

いや、そもそも、彼女のように細部まで
そんなふうにイメージしていたことがあっただろうか?

それほど彼女の新しい家は、
彼女のビジョンにしっかり対応して、
その家で、
彼女はますます輝いて、
やりたいことをめいっぱいやっていけると思った。
それは、
彼女の自分の大好きな仕事に対する情熱の現れと、
一歩先を行く行動力・・・。

おめでとう!

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彼女家のベランダからのぞいていた、可愛い兄弟たち。
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by S_Nalco | 2012-10-31 15:38 | コミュニティ

お土産

プランにはなかったことだけど、
理由あって、会社を株式会社にすることが決まった。

去年から準備していたけれど、
今ひとつ自分の中ですっきりしなかった。
何が、って
「株式会社のしくみ」、
という500ピースくらいのパズルが
半分くらいしか仕上がってなかったから。

「株式会社にする、っていうことはね、
経理上での考え方を これまでの商売の考えかたから
100%入れ代える、っていうことなの」

いつもお世話になっている会計士さんから
そう言われた。

考え方だけではない、
実際変えなければならない手続きも沢山ある。


仕事を頼んでいる弁護士さん
(日系の事務所に頼んだので、日本人)に
時間をとってもらって、
電話で私が用意した
株式会社に関する質問にも
ずらずらと応えてもらった。

それでパズルのピースが
ずい分埋まったけれど、
全体が見えるのはまだだった。

保険会社に行って、労災保険の新しい見積もりを取ってもらったり、
アルコール・ライセンスの移行について問い合わせたり、
一つずつ、地道なパズルのピースをはめていくも、

私の頭は「個人商店」の域を出ない。
うちの父も、義父も個人商店をやっていた。
「株式会社」とはこれまで縁はなかったのだ。

こんなイレギュラーな仕事は

一気に片付けてしまったほうがいいのはわかっていても、
年度末の税金のことがあったり、お役所仕事なこともあって
なかなか進まなかった。

それが先週の
会計士さんとの「最終打ち合わせ」で、
やっとパズルが全部はまった(と、私は思った)。
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「あ、そうだったんだ、
これでわかったわ!」

パズルが仕上がってしまうと、
それはとてもキレイな絵を見せてくれて、
途上の混乱はすっかり過去のもの。

はしゃぐ私を見て、
会計士さんが言う。

「これからもわからないことがあれば
いつでも聞いてちょうだい。
同じことを何度でも聞いていいのよ。
そうやって、しっかりと知識を自分のものにして、
その知識を活用しながら、
あなたの会社が益々繁栄していくところを
私は見たいの」

何ていう慈悲深い言葉なんだろう!
私は思わず彼女にこう返した。

「なんてあなたは親切なの、
私なんてね、
仕事でスタッフが何度も同じことを聞いてくると、
何で、ちゃんとメモをとっておかないのかしら、
ってイラついてしまうのに。
あなたに比べたら、これまでの私って、
どこか意地悪だったかもしれないわ」

話がひと段落着いて、
お水を口に含んでいた彼女が、
突然の私の懺悔の言葉を聞いて、
吹き出すのを必死にこらえていた。

そして、ふたりで大笑い・・・!

でも、ほんとうにそう。
仕事では、私は何度も同じことを聞かれるのが嫌で、
(言い換えれば同じことを言うのが嫌)
伝えなければならないことは
ほとんど文書にして、リスト化しているくらいなのだ。

(そういう私は 私生活では
抜け落ちていることが多くて、
「これ、前にも言ったよ」と子供達に呆れられている)。

でも今回ばかりは
メモを取って、
家に帰って復習するも
二人でやったときには
わかったつもりのシュミレーションが
一人でやってみると、「?」だったりして、
何度も彼女に確認することがあっても、
彼女は本当にいつも親切だった。

ああ、私ももっと慈悲深くならなくては・・・
心から反省した。

株式会社への道がまっすぐに見通せたことが、
私の仕事にとって最も大事なことでも、

仕事がなければ、
出会えなかった人たちと、

仕事を通して、
相手の誠実な気持ちを受け取ること、

この、お土産こそが
夜眠る前に思い出しては

私を再び幸せにしてくれる。
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by S_Nalco | 2012-02-27 18:11 | コミュニティ

バレンタインズ・デーのイベント

バレンタインズ・デーを来週に控えたこの週末は、
ワイン・テイスティングとチョコレート、
という組み合わせのイベントが毎年、
地元でも北の地域、9箇所のワイナリーで催される。
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25ドルで、
9箇所のワイナリーに共通する
ワイングラスを貰って、
そのグラスで幾らでも
テイスティングができるという
かなりお得なイベント。

ワインが特産なので、
この手のイベントは地元ぜんたいで
年に4,5回はある。

一番大きいのは、
市が主催する、
ワイナリーがダウンタウンに出張して来る、
6月の「テイスト・オブ・ダウンタウン」。

30近いワイナリーが来るので、
まず全部は回れないけれど
その賑わいといったら、
去年からは送迎バスも出るほどに。

さて、ワイナリーやワインの出張とは違って、
こちらがワイナリーまで足を運んで行くのは格別。
こんな贅沢なワインの味わい方、買い方はないでしょう。
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日本でも最近は酒祭りが盛んになって、
酒蔵どうしの横の繋がりで
様々なイベントがあるようで、
私も以前、広島へ帰ったときには行ってみた。

作り手、売り手の熱い情熱が伝わってくる直のもの、
まさにそこで作られたもの、
環境、風景、人の顔、
商品がそれらと繋がって消費者に届けれらる場合、
それは人々の記憶にいつまでも残る。
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9箇所のワイナリーのうち
お店で出させてもらっている、
お馴染みなワイナリーもあったので
まわったのは5箇所。
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それでも、
それぞれのワインを味わって、
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おしゃべりをして、
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チョコレートを食べていると
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意外に時間がかかって(笑)、
5箇所が精一杯だった。
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家に着いて見てみると、
購入したのは特に気に入った8種類。

バレンタインのプレゼントにと、
今回のイベントの運転手を引き受けてくれた夫と
テイスティングの続きをするためと、

地元の素晴らしいワイナリーの
繁栄を願って。
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P.S  ここは、チョコレートだけでなくお肉まで焼いてくれました。
それがとっても美味しくて・・・!
(手前のワゴンがBBQグリルです)
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by S_Nalco | 2012-02-12 18:26 | コミュニティ

エコとコミュニティ

地元の小さな小学校の生徒と先生の希望者に 週一度、おスシを届けている。

使いまわしのきく、タッパーを使っているので
ランチタイムが終わるとそれらを取りに行く。

100%と言っていいくらいキレイに食べてくれている
(アメリカ人の子供にこんな光景は珍しい!)
からっぽのタッパーを見るたびに、

「今日も喜んで食べてくれたんだ」
と、心がほっこりする。

そのことをFACE BOOKに書いたら、

「お店のテイクアウトにも、
もっと環境に優しいコンテナーを使ってくれると嬉しいんだけど」
とお客様からコメントがあった。

店で使う持ち帰りのコンテナーは、
紙か、サトウキビでできた容器やカップ、
とうもろこしが原料の一見ビニールみたいな袋、
なるべくプラスチックを使わないことを目指している。

けれど、おスシの容器だけは、
日系の会社からそれ専用の
使いやすくて見栄えのいいプラスチックのものが
どこよりも安く購入できるので
ずっとそれを使ってきた。

それでも、最近はアメリカの会社が
「スシ」用のテイクアウト容器として、
エコな原料で市場にどんどん出てきはじめている。

ところがこれが今使っているものよりずい分と高い。
サンプルを送ってもらってあちこちの会社を比較したり、
金額の交渉をしたりと、
商品が環境にいいからと言って、
すぐにそれに変えることができないのが現状。

なるべくお客様に安くおスシを買ってもらうための努力と、
環境に負担をかけないための努力、
それらのリサーチにはいつも時間をかけている。

話を子供たちのお弁当に戻すと、

この学校の子供たちは日替わりで、
あちこちのレストランからピザやブリトーなどを注文するけれど
全部紙皿で 食べ終わると捨てている。

おスシを食べたあとの容器をゴミ箱に捨てるのではなくて
皆んなで集めて戻す、という行為が
ちょっとでも子供たちの記憶に残ってくれればいいな、と思う。

彼らの大好きな、エビ天入りのおスシの味と一緒に(笑)。

私が小さい頃、母は買い物カゴを下げて買い物へ出かけた。
だから友達とお買い物ごっこをして遊ぶときには
必ず買い物カゴが必要だった。
近所にお好み焼きを買いに行くときには、私はお皿を持参した。

そんな光景が残っていると、
エコはけっこう近い。

それどころか、
子供のころの「ごっこ遊び」の楽しさや、
お好み焼き屋のおばさんの笑顔を思い出して、
エコに連なる、温かい記憶に浸ることもできる。
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by S_Nalco | 2011-12-19 15:45 | コミュニティ

おせっかいな客

土曜日の朝に、
夫とふたりで朝ごはんを食べに、近所のレストランに出かけた。

そこへ前に行ったのは、たしか半年以上も前、
朝ごはんにはロールパンやらデニッシュやら、
いろいろなパンが出てきてそれを楽しんだ覚えがあった。

けれど店のドアを開くと、なにか様子が違う。
メニューをもらってびっくり。
違う店になってる。
しかもメキシカン。
外の看板はまだ前の店の名前になっていたので
気づかなかった。

「先週からうちの店になったんです。」
黒いエプロンはあちこちが白く汚れていたけど、
一生懸命な笑顔が感じよかった。
「開店、おめでとう」
夫がそう声をかけるとウエイトレスはとても嬉しそうだった。

朝からメキシカンは食べたくないな、
と思っていたら、ちゃんとアメリカンな朝食メニューがあったので、
それを頼んだ。

客は私たちの後に来たカップルが他に一組だけだったけれど、
40分たっても食事はこなかった。
でもそこは私たちも心得ている。
開店したての店というのは
何かと込み入っているものだから。

けれど、やっと食事が運ばれて来た時には、
唖然とした。
うちの子供たちだって、
もっと美味しそうに、作るぞと思った。

食べてみて、またびっくり。
ハッシュブラウンのポテトは半分しか焼けてなく、
付け合せのビーンは冷たい。
2枚重ねのホットケーキには、
ほんのちょっとのバターがぐにゃりと
嫌そうにかかっているだけだった。

おまけにコーヒーは「これぞアメリカン!」
と唸らせるくらいに薄い。

しかも、食事と一緒に持ってきたフォークやナイフが汚れていた。

食べ歩き、グルメ、食の多様化が進んで、
人々の口はずいぶんに肥えてきた昨今、
こんな食事をレストランで出されるとは驚きだった。

「これは世にも稀な、体験だよ」
ベジタブル・スクランブル・エッグとは名ばかりの
卵料理をフォークでつつきながら
私は夫と笑い出していた。

テーブルの近くに来たウエイトレスに私は声をかけた。
「あなたがここのオーナー?」
「私のお父さんです」
「あなたは笑顔もとても素敵だし、丁寧だけど、
料理はさんざんだわ。
料理のわりには、値段も高いしね。
この町にはメキシカンレストランがたくさんあるから、
もっと頑張らないとね」

私たちは、重くならないように笑顔を交えてそう伝えた。

彼女は、
「朝食じゃなくってランチやディナーを食べてもらえればよかったんですが」
と言いながらも、
お勘定はずい分ディスカウントされていた。


殆ど食事に手をつけずに私が帰ろうとしたとき、

「食べ物に罪はないよ、
お持ち帰りして、家で料理しなおせばいい」
と夫が言う。
そうしたいのは山々だけど、
それでは相手が混乱してしまう。

「何がいけなかったのか」
お店の人が考えるいいチャンスだから、
このままにしていきましょうと、
店を出た。

頑張ってね、
という気持ちで多すぎるくらいのチップを置いて。

何も言わずに帰ることも出来た。
もう2度と来ることもないかもしれない。

でも、私だったら?

何がいけなかったかを伝えてくれる
お客様にはいつも感謝している。
私たちの店も、
お客様に教えられ、鍛えられて今がある。

だからあえて伝えた。

でもひょっとしたら、
私たちのひとりよがりになっているかもしれない。

おせっかいな客だと思われているかもしれない。

あとは相手の受け取る力しだいだから。
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その後行った、パン屋のやっているカフェでは、
美味しい朝ごはんを堪能した。
「世にも稀な体験」をして来たばかりだったせいか、
ウエイトレスがお皿を運んできたとき、
料理がお皿ごと、
にっこり私に笑いかけてきたと思った。

うちでも一皿一皿、こんなふうに笑っている料理を
いつも、
間違いなく、届けられるようでありたい。
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by S_Nalco | 2011-10-31 14:00 | コミュニティ

町の図書館

町に図書館があるのは、
ごく当たり前のことで、

だからこそ、
町として成り立っているんだと思っていた。

州や、地域が財政困難になって、
学校のカリキュラムや、
スポーツのプロジェクトが減り、
しわ寄せが、
どんどん子供たちに及んでいくと
思っていたら、
今度は図書館が廃止されるんだという、

びっくりのニュース。

それで、
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11月の住民投票で、
図書館を存続させる案に票を入れましょう、
というキック・オフ・イベント。

地元のワイナリーが場所と、ワインを提供してくれて、
風通しのいい、
笑いの多い、和やかなパーティとなった。
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持ち寄りのフィンガーフードも、
葡萄畑に囲まれた野外では
ますます映えて、
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カリフォルニアのワイン、
Pinot Noir, Zinfandel, Chardonnay の飲み放題・・・!
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ここで私が初めて目にした光景は・・・
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アイロン台が催し用テーブル代わりに使われていたこと!

これなら、一家に一台あるわけだし、
軽くて、主婦でも持ち運び簡単。
イベントにはもってこいの必須アイテムになりそう・・・。

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図書館存続のためには、消費税がわずかに上がることが前提なのだけど、
「TAXをこれ以上、たったペニーでも払いたくないっていう人たちがいるからねえ」
と、票集めに難を示している人もいた。
でも、私はそういう人には、いまだお会いしたことがない。
今日、来ていた人たちの多くは
店のお客さんで、顔なじみ。
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ステージでは、子供のころ、
近所にあった図書館にはいつも暖炉が燃えていて、
寒い日には、よくそこで友達と本を読んでいた、って話す人があった。

自分と図書館の思い出を語り出すときりがない、
そんな人たちばかり。
それを 子供たちにも味わって欲しいから、
たくさんの大人が集まって、
今日のイベント。
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投票は11月。
市民権を持っていなくて、投票できない私が言うのもなんですが・・・(笑)。
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by S_Nalco | 2011-09-21 17:39 | コミュニティ

Sundays in the Park

6月から8月のあいだ、
町の大きな公園で
市が主催する毎年恒例の
野外コンサートが隔週の日曜日に催される。
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「この夏こそ、のんびりしようね」
と、毎年夫と言うけれど、
お客さんや、市役所からの催促で、
結局毎回、お店からブースを出している。

でも、レストランとは違ったシチュエーションで
お客さんと触れるのはとても新鮮。
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こういうときには、手早くできる
シンプルなメニューが一番。
カリフォルニアロールなどを巻いて、
出していたこともあったけど、
去年は竹の皮でできた小さなカップに
ちらし寿司を入れて出したり、
冷やし中華や、
毎年いろいろに試している。
(そういえば、最初の年は、移動式鉄板を夫が作って、
お好み焼きを焼いたこともあった、力が有り余っていた頃・・・)

今年は、これまでで一番評判の良かった、
どんぶり風のちらし寿司をすることにした。

おととしこれをやったときには、
マグロ、カニ、ベジタリアンの3種類メニューだったけれど、
今年はさらにシンプルにして、
マグロ入り、とベジタリアンの2種類。
ありがたい事に、とても盛況でふたつとも同じくらい出た。
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コンサート会場では、地元のワインやビールの他にアイスクリーム、
ポップコーン、ホットドッグ、ハンバーガー、から、
インドカレー、ギリシャ風のフードブースが立ち並んでいる。


さて、このちらし寿司を
野外コンサートで提供する私の楽しみは、
プラスチックではなくて
陶器のどんぶりを使うこと。
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お持ち帰りの人には
もちろんプラスチックを使うけれど、
たいていはその場で食べてしまう人ばかり。

だから3ドルのデポジットを貰って、
器を返しに来た人には3ドルを返金する。
そういうシステムにしている。

エコが大好きな町の人たちは
とても喜んでくれるし、
私たちは食べたあとのお客さんの笑顔を確認することができるしで、
後片付けの苦労はそれで帳消し。

しかもこういった行動が、
店のポリシーとしてお客さんの記憶に残ることが 
店にとっても一番の財産。

お客さんの中には 
普通、3ドルでは購入できない
器を目当てに戻ってくる人も。

「コレクションしてるの」と様々な柄の器を見ながら、
「今度はこの柄の器を使ってね」
なんて楽しみが広がって。

お陰で今年は1/3以上の器が戻って来なかったけれど、
それも計算のうち。

誰かのキッチンに
そのどんぶりが置いてあって、
夏の思い出として
話の種になっていれば嬉しいな。
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by S_Nalco | 2011-08-29 04:41 | コミュニティ

幸せの運気

スタッフが夏休みを取っているので、最近ずっと忙しくてなかなか更新ができませんでした。

そんな中でも、ぽかっと突然空いた時間に、
夫が珍しくランチのデートに誘ってくれた。
お気に入りの近所のレストランで
もてなす側から、
もてなしてもらう側になって、
ほっと一息。
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夫の頼んだミニステーキのサンドイッチ。

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私のはサーモンのプレート。

地元で作った白ワインを頂きながら、
ここでも話題はやっぱり仕事のこと。
子供の話題が出ないのは、
平和な証拠?



ところで今日は嬉しいお客様があった。

5年前に、
現在私たちのレストランの入っている建物を売ってくれた
もと大家さんが顔を見せてくれた。

ここを私たちに売って、
彼は違う町に引っ越し、
あれから会っていなかったので今回の再会はまさしく5年ぶり。

不動産屋も、銀行も通さずに 
安い金利で信用貸しのローンを個人で組んでくれた彼とは、
5年後にもう一度会って、
お互いの状況を確かめ合おうという約束だった。

そしてそれが今日。

70に近い年齢(それ以上?)だと思うけれど、
月日を感じさせない彼の姿に私はすっかり嬉しくなった。

「すごく調子よさそうだね!?」

と尋ねると、

次々と彼からいいニュースを聞かせてもらった。

健康で、
娘や孫の近くに住み、
パートナーともうまくいき、
趣味のテニスを続け、
年に数回は旅に出かける。

普段は 自然を歩き、
子供達に自然の中を案内するボランティアをかって出ている。

とりたてて特別なことではないけれど、
それらのことが
どんなに得難いことかも
想像できる。

店で彼に お弁当のランチを食べてもらったあとで、
5年前とは随分変わった建物の中を
夫と一緒に案内してから、彼は帰って行った。

彼が去ったあとも、
何かしら私自身楽しい気分が続いて、
その余韻が何なのかと思った。

人生も後半に差しかかった彼の 
幸せの運気がもたらしてくれたもののような気がした。

幸せって、
ほんとうに伝染する。
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by S_Nalco | 2011-06-17 16:31 | コミュニティ