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カテゴリ:ラウンジ( 2 )

計画の変更

この春からずっと計画を詰めていた「ラウンジ」のオープン。

レストランとテイクアウトの店の間にある小さな店舗を、レストランでテーブルを待つ人のためのウエイティング・ルーム兼ラウンジにしようと思っていた。

市役所や消防局、衛生局、に出すプランや、お酒販売のライセンスなど書類を出したり、面接に行ったり。レストランやテイクアウトの店を今までに開いてきたので、ある程度お役所機関のゴーサインがでるまでの流れは知っていたけれど。

何度かのやり取りがあって、そのたびにプランを変更し、新しいアイデアを出した。
けれど結局のところ私達が思っているように、事は簡単には運ばないことがわかった。

ヒストリック・ダウンタウンと言えば、聞こえはいいけれど、町の商店街は古い建物が多く、私たちの建物もそのひとつ。
市役所のビルディング・デパートメントはその古い建物でビジネスを拡張するならばと、大小様々な「宿題」を課してきた。

人々の安全と使いやすさを考えた、お役所の規定だけど、その宿題、ラウンジの為とあっても、どうもやる気にならない。
あまりにも大がかりで、お金もずい分かかる。
それだけの投資をするなら、他のことを考えたほうがいい、と思った。
それで結果。ラウンジの計画はやめにした。

白紙。

私としては随分あたためていたプランだけに気が抜けた。
でも、きっと何かが他にあるんだろう。


この場所で自分のレストランをオープンする、とはじめてこの店舗を夫が見つけてきたとき、誰一人として、賛成する人はいなかった。

そんなムードの中でも夫は、
「大丈夫、このレストランが繁盛するのが見えるよ」
と言って店舗をリースする話しを勧めていったのだった。

私もラウンジ、うまくいくと思ったのだけどな。

壁一面は今年のアニバーサリーで、お客さんに描いてもらったピースメッセージで埋め尽くされている。
この壁を背景に、人々が集まる場所が欲しかった。

古くからのお客さんの一人が私に言う。

「私、いいアイデアがあるのよ、ラウンジのかわりにサンドウィッチショップにするのよ。そうしたら日本食に興味のない人でも、人がここに集まるようになるわよ! 」

93歳の彼女は生魚を食べないし、お箸も使わないのに、ずっとうちをひいきにしてくれている。
世の中の景気が悪くなり始めたときにも、
「大変なときには私たちが資金集めをしてあげるからね」と励ましてくれた。

それと同じ日に 103歳の赤いコートを着て現れたご婦人は、うちで生まれて初めてのお蕎麦を食べてから言った。
「どうして私、今までここに来なかったのかしら?」
  

この町は、私たちにこの場所でどんなことをしてもらいたいと考えているんだろうか、

思いめぐらしながら、そのときのために準備をしていようと思う。
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by S_Nalco | 2010-11-23 12:39 | ラウンジ

ラウンジの計画


2010年、春。

私たちはレストランとテイクアウト店の間にあったブティックに移転してもらい、そこをラウンジにする計画を立てた。
もともとレストランともとブティックのあった店舗は中で繋がっていたので、今回壁の一部を壊して 再び行き来できるようにするのは 構造上でも、手続き上でも簡単だということがわかった。

うなぎの寝床のような細長いレストランは、入口がすぐに混雑して、お客様に待って頂こうにも場所がない。それでラウンジがあれば、お酒でも飲みながらテーブルを待ってもらうことができる。
また、この近辺は葡萄の産地だけあって、カリフォルニアワインのテイスティングルームには事欠かないけれど、酒テイスティングをするのは日本人の私たちの役割かな、という気持ちがどこかにあった。

アルコールを主とした場所がひとつ増えるのは 果たしてこの小さな町の為になるのかどうか。
けれど、ここには夜、静かにお喋りしながらワインやお酒を楽しめる場所がない。若者が集うスポーツバーやダンスバー、カラオケはあっても。
大きな町に行くと、ゆったりしたカウチを置いた落ち着けるラウンジがある。アルコールに酔い大騒ぎするためでない、落ち着いたコミュニティの集える場所になり得るような店作りをしていきたいと思った。

これまで使っていたカーペットを取ると、黒とバーガンディのチェックの床が出てきた。
この柄に合わせて色を決めていく。はっきりとしたオレンジに茶色をアクセントにした壁、黒いマーブルがトップのカウンター席。
入口にソファを二つ置き、あとはコーヒーテーブルに椅子。店の奥に大きめのテーブルを置くのは、レストランに急なパーティが入ったときに使えるようにと、もとからのアイデア。
初めてレストランを開くときには、様々なこだわりと意気込みから、細かいところまで「これでなきゃ」というものがあって そのことでエネルギーを使ったけれど、今は大まかな色と配置、あとは効率的な予算の使い方に的を絞ることができるようになったのが楽。
何にこだわって、何を譲れるのか、何が優先か、そういうことが頭の中で自然に整理されてきている。

ブティックだったので、ショウケースや、棚、フィッティングルームなどが店内に取り残された。壊すのがもったいないので、どうする?、これを生かして店づくりする?、などと迷った。エコ精神が旺盛なのだ。けれど、思い切って、ぜんぶゼロにした。
レストラン、テイクアウト店同様、小さなスペースだけど、こじんまりしたあったかい雰囲気の店になりそう。すでに私のイメージの中では お客さまがくつろいでいる。
考えるだけで嬉しくて、がらんとした、作業中でまだ埃っぽい、未来のラウンジでしばし目を閉じる。

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by S_Nalco | 2010-06-12 14:19 | ラウンジ