<   2012年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

お土産

プランにはなかったことだけど、
理由あって、会社を株式会社にすることが決まった。

去年から準備していたけれど、
今ひとつ自分の中ですっきりしなかった。
何が、って
「株式会社のしくみ」、
という500ピースくらいのパズルが
半分くらいしか仕上がってなかったから。

「株式会社にする、っていうことはね、
経理上での考え方を これまでの商売の考えかたから
100%入れ代える、っていうことなの」

いつもお世話になっている会計士さんから
そう言われた。

考え方だけではない、
実際変えなければならない手続きも沢山ある。


仕事を頼んでいる弁護士さん
(日系の事務所に頼んだので、日本人)に
時間をとってもらって、
電話で私が用意した
株式会社に関する質問にも
ずらずらと応えてもらった。

それでパズルのピースが
ずい分埋まったけれど、
全体が見えるのはまだだった。

保険会社に行って、労災保険の新しい見積もりを取ってもらったり、
アルコール・ライセンスの移行について問い合わせたり、
一つずつ、地道なパズルのピースをはめていくも、

私の頭は「個人商店」の域を出ない。
うちの父も、義父も個人商店をやっていた。
「株式会社」とはこれまで縁はなかったのだ。

こんなイレギュラーな仕事は

一気に片付けてしまったほうがいいのはわかっていても、
年度末の税金のことがあったり、お役所仕事なこともあって
なかなか進まなかった。

それが先週の
会計士さんとの「最終打ち合わせ」で、
やっとパズルが全部はまった(と、私は思った)。
d0167973_17592255.jpg

「あ、そうだったんだ、
これでわかったわ!」

パズルが仕上がってしまうと、
それはとてもキレイな絵を見せてくれて、
途上の混乱はすっかり過去のもの。

はしゃぐ私を見て、
会計士さんが言う。

「これからもわからないことがあれば
いつでも聞いてちょうだい。
同じことを何度でも聞いていいのよ。
そうやって、しっかりと知識を自分のものにして、
その知識を活用しながら、
あなたの会社が益々繁栄していくところを
私は見たいの」

何ていう慈悲深い言葉なんだろう!
私は思わず彼女にこう返した。

「なんてあなたは親切なの、
私なんてね、
仕事でスタッフが何度も同じことを聞いてくると、
何で、ちゃんとメモをとっておかないのかしら、
ってイラついてしまうのに。
あなたに比べたら、これまでの私って、
どこか意地悪だったかもしれないわ」

話がひと段落着いて、
お水を口に含んでいた彼女が、
突然の私の懺悔の言葉を聞いて、
吹き出すのを必死にこらえていた。

そして、ふたりで大笑い・・・!

でも、ほんとうにそう。
仕事では、私は何度も同じことを聞かれるのが嫌で、
(言い換えれば同じことを言うのが嫌)
伝えなければならないことは
ほとんど文書にして、リスト化しているくらいなのだ。

(そういう私は 私生活では
抜け落ちていることが多くて、
「これ、前にも言ったよ」と子供達に呆れられている)。

でも今回ばかりは
メモを取って、
家に帰って復習するも
二人でやったときには
わかったつもりのシュミレーションが
一人でやってみると、「?」だったりして、
何度も彼女に確認することがあっても、
彼女は本当にいつも親切だった。

ああ、私ももっと慈悲深くならなくては・・・
心から反省した。

株式会社への道がまっすぐに見通せたことが、
私の仕事にとって最も大事なことでも、

仕事がなければ、
出会えなかった人たちと、

仕事を通して、
相手の誠実な気持ちを受け取ること、

この、お土産こそが
夜眠る前に思い出しては

私を再び幸せにしてくれる。
d0167973_180492.jpg

[PR]
by S_Nalco | 2012-02-27 18:11 | コミュニティ

お母さんの食事

バレンタインズ・デーは一年で一番忙しい。
それでも、お客様の持ってくる、
LOVELYで、SWEETなエネルギーで
店が満たされていく様子は本当に素敵、
私の一番お気に入りの日でもある。

若い人から年配の方まで、
この国は、いつまでたっても人を若々しくさせてくれる。
どんなに年をとっても、
テーブルの上、二人で手を握りあい、
それぞれの世界を楽しむことができるのだから。

ところで、レストランの予約は早くから一杯でも、
毎年スシバーの何席かだけは
どんなにリクエストがあっても予約のないままで空けている。
この日、
毎年一人でふらりと来られるお客様が数人、
必ずいらっしゃるから。

「こんな日だからこそ、ひとりで来られるお客様を大切にしたい」
というのが店のモットー、
そしてもう一つ、
子供連れのカップルにも私達は特別に気を使う。

私がそうだったけれど、
一人目の子供のときにはまだまだ自分が若く、
自分の楽しみを諦められずに、外食に出たりする。
そして途中で子供がぐずったりして
十分楽しめずに家路に着くことがよくあった。
子供が小さいうちは、
家でのんびり食事したほうがマシと
思えるようになったのは、二人目が生まれてからだった。

普段でも、私は子供連れのお客様には気を使う。
赤ちゃんが寝ていると、
「あ、今のうちにお母さんに食べてもらおう」、
とか、こちらで提供している塗り絵に
子供が集中しているのを横目で見ながら、
フードの出来上がり時間を計ったりしている。

先日などは席が空くのを待っていた常連の家族がやっと座ると、
キッチンスタッフが、
「早くしないと、あの子供たちは8時を過ぎると眠くなってぐずるんだよ!」
とウエイトレスにオーダーを早く取るようにと気をもんでいる。

こうして店全体が子供連れの家族を気に掛けている光景を私は自慢に思う。

お客様のほうでも私たちの対応を見て、
「ここは子供連れもいいのね、今度は私も子供を連れて来るわ」
と言われる。

決して安い価格設定の店ではないけれど、
子供たちの笑顔が店にある光景、
というのが私も夫も大好きで、
そこに私たちの店の原点もあると信じている。
d0167973_19274342.jpg

しかもうちに来るような子供たちは
たいていマナーもしっかりしていて、
大変な思いをすることなど、一年に一度?あるくらい。
それどころか
「今日のお刺身はとても美味しかったです」と、
お客様コメントに残していく7歳の常連さんもいるくらい(笑)。

さて、今年のバレンタインズ・デーでは
1歳になる前の赤ちゃん連れで来店されたものの、
赤ちゃんの歯が生える時期と重なって、
お母さんはお父さんと入れ替わりで赤ちゃんをあやしていた。

このカップルは恋人同士の頃から、たまに来てくれていた。
けれど今回は食事が運ばれてきたときには、
赤ちゃんはすっかりご機嫌ななめ。
仕方なく殆ど食べることもなく家に持ち帰り、という顛末に。

普段子育てで精一杯で、
自分のことはいつも後回しになってしまうお母さんが、
子供がご機嫌なうちに無事に食事を済ませることができるのを見るたびに、
私は心の中でガッツ・ポーズをしている。
だから、
「次は来る前に電話でオーダーを入れておくといいわよね、
そうしたら席に着いたらすぐに食べられるわ!」
帰り際に私はそのカップルにそう提案した。

もちろんレストランでは席に着いてから、
ドリンクからアペタイザー、メイン、デザートと
ゆっくりと食事や雰囲気、サービスも楽しむことが理想的ではあるけれど、
子連れのお母さんにとっては、
自分のお気に入りのレストランで、
座って食事ができるだけで日ごろの疲れもふっとぶというもの。

肌の瑞々しい、可愛らしい笑顔の若いお母さん、
今年、その日のことも、
またひとつのバレンタインズ・デーの思い出となって、
いつか、
「どうしてあんなに無理して、外食しようとしたのかしら」
と振り返る日が来るのかな、と自分のことと合わせて思う。

それでも、私はいつもそんなお母さん方の味方で有り続けたい。
d0167973_19302715.jpg

[PR]
by S_Nalco | 2012-02-20 19:41 | ホスピタリティ

バレンタインズ・デーのイベント

バレンタインズ・デーを来週に控えたこの週末は、
ワイン・テイスティングとチョコレート、
という組み合わせのイベントが毎年、
地元でも北の地域、9箇所のワイナリーで催される。
d0167973_17175694.jpg


25ドルで、
9箇所のワイナリーに共通する
ワイングラスを貰って、
そのグラスで幾らでも
テイスティングができるという
かなりお得なイベント。

ワインが特産なので、
この手のイベントは地元ぜんたいで
年に4,5回はある。

一番大きいのは、
市が主催する、
ワイナリーがダウンタウンに出張して来る、
6月の「テイスト・オブ・ダウンタウン」。

30近いワイナリーが来るので、
まず全部は回れないけれど
その賑わいといったら、
去年からは送迎バスも出るほどに。

さて、ワイナリーやワインの出張とは違って、
こちらがワイナリーまで足を運んで行くのは格別。
こんな贅沢なワインの味わい方、買い方はないでしょう。
d0167973_1721331.jpg

日本でも最近は酒祭りが盛んになって、
酒蔵どうしの横の繋がりで
様々なイベントがあるようで、
私も以前、広島へ帰ったときには行ってみた。

作り手、売り手の熱い情熱が伝わってくる直のもの、
まさにそこで作られたもの、
環境、風景、人の顔、
商品がそれらと繋がって消費者に届けれらる場合、
それは人々の記憶にいつまでも残る。
d0167973_17251052.jpg

9箇所のワイナリーのうち
お店で出させてもらっている、
お馴染みなワイナリーもあったので
まわったのは5箇所。
d0167973_1814203.jpg

それでも、
それぞれのワインを味わって、
d0167973_17564397.jpg

おしゃべりをして、
d0167973_17332316.jpg

チョコレートを食べていると
d0167973_17354275.jpg

d0167973_1746268.jpg

意外に時間がかかって(笑)、
5箇所が精一杯だった。
d0167973_1842463.jpg

家に着いて見てみると、
購入したのは特に気に入った8種類。

バレンタインのプレゼントにと、
今回のイベントの運転手を引き受けてくれた夫と
テイスティングの続きをするためと、

地元の素晴らしいワイナリーの
繁栄を願って。
d0167973_17424657.jpg



P.S  ここは、チョコレートだけでなくお肉まで焼いてくれました。
それがとっても美味しくて・・・!
(手前のワゴンがBBQグリルです)
d0167973_18171188.jpg

[PR]
by S_Nalco | 2012-02-12 18:26 | コミュニティ

夢を叶える

「小さくても、ひとつ自分の目的を達成した後は、
休まず、すぐに次の目的を掲げてそれに進むべきです。
そうすることで加速度がついて、
成功に早く到達することができるでしょう」

これまで読んだ数冊の本に
そんな内容のことが書かれていた。

去年から、町に新しくできたダンス・スタジオの先生、
娘の通うヒップ・ホップ・ダンスの先生を
私はこの一年、ずっと観察していたけれど、
この人は、
まさしく加速度をつけていく人。

ロサンジェルスで20年、ダンス・スタジオを持ち、
誰もが知っているようなテレビのダンス・ショウ(MTV)で振り付けを担当していたと、
スタジオを紹介するチラシには書いてあった。

何故そんなきらびやかな経歴を持つ人がこの町に!?
という疑問はさておき、

6畳ほどの小さな場所から始まった、彼女のクラスは、
半年ほどで大通りに面した2階建てのスタジオになり、

その半年後には、
400人入るステージで、
4日間、2時間のショウをすることになったときには、

「大丈夫かしら、
ここは、ロサンジェルスじゃないのにねえ、
こんな田舎町では勝手が違うものよ」
などと囁く声も聞かれた。

この一年で、娘のダンスは見違えるほど上達したけれど、
私はずっと遠巻きに成り行きを観察していた。

けれど、
ショウが近くなり、
クリスマス時期というのにリハーサルが毎週あり、

毎日のように先生からショウの「お知らせ」メールが届き、

リハーサルがひと段落すると、
今度は6月のショウのお知らせがあり、

さらに、ダンスの大会に出るためのオーディションがあり、
そのための新しいクラスが
今日、始まった。

「あ~、今日、習ったダンス、すっごく楽しかった!
 明日も朝、10時半から2時までレッスンだからね!」

娘が顔を紅潮させてクラスから戻ってくるなり言う。

うそでしょう!?
実はショウの3回目を昼間終えたばかり。

今日は400人の小中学生達の前で、
2時間半にも及ぶショウを、
娘は15回くらい衣装を着替えながら、
他の20数名の子供達と舞台に立っていた。

そして明日は夕方の6時から、最後の舞台が待っている。
そんなさなかにでも先生は、次から次へと新しいことを提案し、
子供達のフレッシュな、やる気を引き出している。


ショウの第一日目、
私は荷物を楽屋に運ぶのを手伝いながら、
先生に声を掛けて、
彼女の働きぶりを褒めた。

「私は本当にラッキーなの、
大好きなことを仕事にしているからね、
どんなに働いてもちっとも大変じゃないのよ」

その言葉が
彼女の口から出ると、
とても説得力があった。

そしてああ、やっぱり、と思ったのだ。

彼女は周りがどんなことを言おうとも、
自分の目標とすることにフォーカスし、
一人でもやり抜く強さを見せ、
ここまできた。

そんな姿を見て、
こっちも
じゃ、手伝おうか、
という気もちにいつの間にかなっている。


「情熱」を持ち、
自分自身を「投資」し、
ビジョンを信じて「進む」。

そして、冒頭の本にあったように、
「進みつづける」。

夢は、どんなものであっても、
そんなふうにして叶えられるものだと、

シンプルなルールを思い出させてくれた。
d0167973_16511692.jpg

自分自身を「投資する」こと、
出し惜しみしないでね。
[PR]
by S_Nalco | 2012-02-04 17:05 |