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集い。

店の建物を購入するときに、お世話になった
“Goen”グループの人たちを招いて、
恒例である年に一度のパーティを1月終わりに催した。

店を開いてまだ3年目だった私たちに
心よく建物の頭金を融資してくれた10組の人たち。

旅行や仕事などで都合がつかない人も何組かいたけれど、
今年で6回目になるこのパーティを無事終えるとほっとする。

毎年、パーティには色々に趣向を凝らすけれど
今年はシーズンでもあるから、
皆んなでカニを食べることにした。

「テーブルに新聞紙を敷いてカニをならべて、
みんなでひたすら食べるんだよ、楽しいよ。」

そう提案した人がいた。
でも、そんなパーティ、したことがない。
そもそもそんな簡単なパーティでいいの?

ディップするソースは日本ではお馴染みの、
ポン酢、
カニ味噌のソース、
アメリカンスタイルでは
レモンとホースラディッシュ(西洋わさび)、
レモン&タラゴンの4種類。

今回は友達の
カリフォルニア料理を専門にするシェフが差し入れしてくれた
前菜、
ラズベリー・ドレッシングで仕上げた
ほうれん草とアーモンド、ゴート・チーズのサラダ、
カニのスープ、

それからカニをメインにしたおスシ。

それらを平らげた後でいよいよカニがテーブルに並ぶ。

これが本当に楽しかった。

その日の朝に採ってきたばかりのカニを皆んなで手を使って
食べる、
食べる、
食べる。
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カニにまつわる思い出なんかを話しながら、

なんとなく日本で皆んなで鍋をつつきあうような、
気楽さとか、
連帯感。

一月にはカニとワインのコラボ・メニューがあちこちであるけれど、
たいてい合わせてあるのは
Sparkling Wine
Sauvignon Blanc
Pinot Gris

うちでは カニにはPinot Gris が一番人気。
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            (Pinot Gris)

さんざんにカニを味わい尽くしたあとは、
新しくメニューに入る予定の、
3種類のタルトをお試しサイズにスライスしたデザートと、
お土産に貰った地元のポートワインで〆。
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(さすがに新聞紙ではなく、使い捨てのテーブルクロス。遠慮なく食べ散らかせます)。

ところでこのGeoenグループが発足してから間もなく、
一組のカップルがリタイアして、オレゴン州へ引っ越していた。
だからこれまでのパーティには来れなくて、
毎回手紙だけのやり取り。

彼らは以前、夫婦でレストランをやっていたので10組の中でも
率先して、私たちを「応援しましょう!」と言ってくれたカップル。

先週の土曜日、何年かぶりに店を訪ねて来てくれた。

普段は娘夫婦の近くに住み、孫の成長を見守り、
年に一度、数ヶ月、
今度は南カリフォルニアの、
末娘の家の近くにある
自分たちのアパートメントでそちらの孫と過ごすのだそう。

70歳のお祝いに、
この5月にはふたりでイギリスに行くのだと言う。

温かな笑顔はそのままでも、
ますますおおらかなふたりのオーラに

私の心はすっかりゆるんでしまった。

色んなことを話した。

彼らの孫のこと、
お互いの子供達のこと、
家族について、
仕事について、
夫婦について・・・。

今年のGoen Partyは、
彼らとの再会というおまけがあって、
嬉しかった。

家族と過ごせることの幸運、
普段は気づかない、
身近にある幸せの奇跡。

愛する人、
大好きな人たちと
囲むテーブル、
集い。

そんな機会の
ひとつひとつを
これからも大切にしていこうと思う、
温かな余韻が
いつまでも心に残る再会だった。
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by S_Nalco | 2012-03-13 04:04 | 集い

質問のマジック

店では1時間半から2時間ほどの間を空けて、
次の予約を取ることになっている。
もちろんそれをオーバーされるお客様もあるので
次に空くテーブルを予測しながら、
予約をなんとかこなしていくのはけっこう大変な仕事でもある。

週末はたいてい予約で一杯で、
席のゆとりがないのが現状なので、
場合によっては、
食事を済ませ、
お勘定も終わり、
ただお喋りを楽しんでいるお客様には、
事情を話して、席を立ってもらうようお願いしなければならない。
(滅多にはないけど、これが一番嫌な仕事かもしれない)。

中には、気を利かせたお客さまのほうから、
「このテーブル、次の予約は何時になってるの?」
と聞いて下さる有り難い人もいる。

さて、先週の土曜日は、
パティオで15人のバースディ・パーティがあった。
十分な時間を空けて次の予約を取っていたけれど、
そのパーティ、予約の時間から50分を過ぎても全員が集まらない。
明らかにパーティは長引きそう。

テーブルを見に行くと、
中央にはお客様が自分たちで持って来た花束が飾られて、
誰もがにこやかで、和やかな雰囲気だった。
私の顔を見るなり、
挨拶をしてくれる常連のお客様も何人かあった。

予約シートをもう一度覗くと、キャンセルが二つ入っていた。
週末なのでキャンセル待ちも多い。
けれど、私はフロントを担当している若い男性に、
「今日はパーティの後に予約しているお客様を 
キャンセルの入ったテーブルに座ってもらいましょう。
そうして、パーティはゆっくり楽しんでもらうの」
と、提案した。

けれど、その若いスタッフの心のうちは、
次にも同じことがあったときの心配、
それから6時の予約がいつまでたっても始まらない、
マナー違反に対する正義感。
「次の予約が入ってることをちゃんと伝えたほうがいいのでは?」、と言う。

それはよくわかるし、正しいのかもしれないけれど、
所詮、店の都合でしかないな、と思うと私の気持ちは萎えてしまう。


それに、同じような状況でも、
月曜日など暇な日であれば、
次の予約がないせいで私たちも気を揉むことがない。
「暇だったから、今日のお客さんゆっくりしてても大丈夫だったわね~」
なんて会話がウエイトレスの間で交わされる。

席がなくて、どうしようもないときには、
仕方がなくても、
キャンセルが出たのであれば、
なんとかできる。

それに、15人が集まる誕生日パーティで、
何かあれば、
それは後々までに語り継がれることになる。
「あの時の、誕生日パーティ、
私達、お店のほうから急かせれちゃって」
なんて誕生日が来るたびに、当分の間 思い出すかもしれない。

沢山のお客様が
誕生日を祝うために、うちを利用してくださる。
一年に一度の、
その人だけの大切な日を、
私たちも本当に大切に思い、
素敵なバースディ・ディナーになるようにお手伝いしたい。

「何が大切か」、
何かを決めなければならないとき、
いつもそう問いかける癖をつけておくと、
安心できる。
ごちゃごちゃした雑音がなりを潜めてくれて、
ある一筋が光ってくる。

そうでなくても、
沢山の人が出入りする忙しい中で、
予測していなかったことが起きたとき、
とっさに、後悔しない選択ができるように、
この質問は
とても有効だと思う。
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by S_Nalco | 2012-03-05 16:03 | ホスピタリティ