「ほっ」と。キャンペーン

We are lucky!

新しい年が始まって、
まずやるべきはスタッフ、ひとりひとりとのミーティング。

今年一年、私たちが期待すること、
相手の期待すること、
年の終わりに望む結果、
それらを明確にして、
この一年がスタッフにとっても、私たちにとっても、
去年とは確実に何かが違う、わくわくした年にしたい。


働く人、仲が良くて、30人という人数的にも微妙な数なので、
ややもすると大家族の馴れ合いみたいなものが生じる。

ほど良い緊張感のある職場を保つためにも、
ひとりひとりと、店全体の目標を傍らにすすんでいかなければ
ほんとに一年なんてあっという間。


さて、私が今年一番にミーティングをしたのは
ダイニングスタッフで、
最近ホステスを任せるようになったHさん。

近所にあるファンシーなレストランにはまだ行ったことがないというので、
そこでランチをしながら1時間半、
ゆくゆくは自分のカフェを持ちたいという彼女自身、
「もし私がオーナーだったら、」という視点で仕事に臨んでくれるので
話していても建設的な広がりがあって楽しい。

オーナーとしての私の気持ちも視点に入っていて、
話しているとこちらが癒されたりして(笑)。

「先週の土曜日ね、お客様が来店されて勝手に自分たちで席についてしまったの」。
彼女が話し始めた。
「予約で席がいっぱいで余裕はなかったのよね、
でもスシ・カウンターだけは空いていたので、
そのお客様に説明して、
済みませんが、スシ・カウンターに移動してもらえませんか、
って頼んだのよ。
でも、信じられる?
嫌だ、って席を譲ってくれなかったの!」

そんなお客様なんてこの10年、いなかったと思う。
たいていの場合、勝手に座ってしまったことに対して恐縮されて、
そしてお互い恐縮し合ってうまく事は運ぶはずだった。

「他のスタッフの中には、
そのお客様に対して接客しなければいい、
っていう人もいたんだけど、
私はただその席を諦めて、
予約していたお客様には説明して謝って
スシ・カウンターに座ってもらったの。

私のそのやり方でよかったかしら、
Nalcoだったらどうした?」


「あら、私もあなたと同じよ、
お客様が席を立たれなかったことは驚きだけど、
仕方ないわよね。
こっちが意固地になって接客しないなんてあり得ない!
いったん店に入った以上は楽しく帰ってもらわなきゃ。
それに予約していたお客様はスシ・カウンターでも構わないって、
言ってくれたんでしょう?」

「そうなの、すごいラッキー。
スシ・カウンターは嫌だって言う人も多いのにね、
たまたまカウンターでもOKなカップルだったの」

(*逆にスシ・カウンターでなければ、というお客様も多いです。)


彼女をホステスとしてトレーニングを始めたときには、
次のリザベーションの時間が迫ってくる頃になると
そわそわして落ちつかなかった。

「Nalco, あのテーブルは20分後には予約が入ってるのに、無理そうだわ、
どうしよう? 」

見ると常連のお客様。
このお客様はいつもおしゃべりに花が咲いて食事も時間をかけて楽しまれる。
次の予約を取るのが早すぎたくらい。

「あと20分で、次の予約が入ってるんです、
って言ってあげたほうがいいかしら?!」というHさんに私は、

「今はデザートの最中だし、ぎりぎりまで待ってみましょうよ。
予約していた人が遅く現れることもあるしね、」となだめた。

結果、その5分もたたないうちに予約キャンセルの電話がかかってきて、
Hさんはそのタイミングに
「WOW!」。

自分ではどうしようもできないことが沢山あるわよ、
でも、いったん自分の出来ることをしたら、
あとは
「we are lucky!」って信じているだけよ。

私はいつもそう言う。
自分のためじゃなくて、
お客様のこと、人のことを思ってやっていると
良いアイデアが湧いてきたり、
思わぬ助け舟がきたりする。

誰かのために働くことは、
宇宙の願うところだから、
きっと最後にはツジツマがあうようになっている。

「we are lucky!」
って自信を持って言えるのは
そういうことかな、

それって、接客の醍醐味かもね。

Hさんはミーティングの間、私が彼女に質問する以上に、
私に色んな質問をしてきたけど、

うまく答えられたかどうか自信がない。

でも、私が自分の見栄とか立場からではなく、
彼女のことを思って答えた答えなら、
きっと宇宙がそのあとは
フォローしてくれるんじゃないかと・・・

ね?
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# by S_Nalco | 2013-01-06 14:37 | ホスピタリティ

10年ぶりの再会で

今年も終わりになって、
会いたい、会わなくっちゃ、
と思ったのが、
10年前、店をオープンさせる前に会いに行ったMさん。

彼女は23年前にサンフランシスコ近郊の町に
ビジネス・パートナーと一緒に
日本食レストランをオープンした。

競争の激しいその地域で、
開店以来、いつも人で賑わう人気の店、
Mさんは今でもそこで接客をしている。

アメリカに来たばかりの頃、
しばらくの間 夫が働いていたことのある縁で、
店のオーナーで、二人の子供の母親でもある彼女から 
話を聞いていたお陰で、
私は自分がレストランを始めるときに 
ずい分と参考になるところがあった。

それで、来年、
私たちのレストランを始めて10年という節目に、
Mさんが、今、
何を考えているのか、
もう一度ゆっくり会って聞いてみたい、と思った。



サンフランシスコに行く機会があれば、
食事をしに彼女の店に寄ることはあっても、
ゆっくり会って話すのは10年ぶり。

けれど、約束したレストランに現れた
60歳を過ぎたはずのMさんは
時間の経過を疑うほどに びっくりするくらい美しくて、
笑顔や話す感じが柔らかく、
それが彼女のこれまでの暮らしを表していると感じて、
とても嬉しかった。


「OPEN YOUR HEART!」

いつもそう、ダイニングのスタッフには言うのよ、
ウエイトレスの仕事はただ、オーダーを取ってきて、
食事を運ぶだけではないものね、

そう話すMさんは今回も、
「お客様」一筋だった。

10年前に会ったときにも、
どんなに心からお客様のことを考えているかを
彼女の言葉から察知したけれど、
10年後も、彼女は変わることなく、同じことを言う。

「色んなお客様がいらっしゃるからね、
おもてなしには、これでいい、っていうことがないの。
毎日が違うのよね。」

10年たっても同じことを言い、
それを毎日実行し、
掘り下げ、
深めていった先が
決して同じはずはない。

こんなに綺麗できらきらしている彼女には
ものすごい説得力があって、
私はなんだかすごく納得した。

彼女が生き生きしている理由、
お店がいつも沢山の人に愛されている理由、
そして私が遠くにいても、彼女にどうしても会いたい、
と思った理由・・・


「私たちってほんとにラッキーよね、
こんなに大変なことが沢山あるんだもの。
世の中にはね、大変なことがぜんぜん、ない人もいるのよ。
大変なことがあるお陰で、考え方にも幅が出てくるし、
どんどん自分が成長していけるのよね」

彼女の言う、「大変なこと」というのが
「チャレンジ」という言葉にも置き換えられると思うけれど、
こんなにあっけらかんと、
だから、
「ラッキー!」
と心から言ってしまえるほどある意味、
そこを超えてしまった人、
に会えるなんて。

最近も友達と、
「もう人生、ぜんぶ4コマ漫画になるくらい色んなこと、笑い飛ばして生きていきたいよね!」
とそういって笑っていたけど、渦中にあるとなかなかそんなゆとりがない。

けれど、こうしてそれを思い出させてくれる人が
そばにいて、
話しているだけで、
私を励まし、感動させてくれる、
彼女と、同じ仕事をしているという幸運。

ふたりでたくさん喋って、
たくさん笑って、
そして温かい話にほろっと泣いて・・・。

レストランを後にする頃には、
自分の中で、みずみずしい気持ちが
来年への展望に根付いているのがわかった。

時計を見ると3時間が経っていた。
お酒を飲まない彼女に合わせて
私もその日はレモネード。
お酒なしで3時間とは・・・!
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# by S_Nalco | 2012-12-24 17:43 | 日記

お客様のために

先日、新しく入ったウエイトレスの女性に、
「この仕事(レストラン・サービス)は
あなたのやることじゃないと思うの。
だからここを辞めて他のことへ向かったほうが、
あなたの時間の無駄にならないと思うわよ」
と 話さなければならなかった。

きちんとした大学を出ていて、
仕事にも一生懸命取り組む人だと思った。
でも、レストランでのお客様サービスには向いていないと判断したからだった。

彼女はどんなにか、
この職場のあり方や、
コミュニティとのつながり方、
働いている人たちのことが好きかを力説して、
再度チャンスが欲しいと 
情熱的に私に語ってくれたので 私はそれ以上を言えなかった。

それが彼女の本心なのか、
ただ「辞めさせられる」ということへの拒否反応なのかはわからないところだけど、
これだけ「もっと頑張ってみたい」と
私を口説いた人はこれまでにいなかった。

あるビジネスの本、
(どの本だったか忘れてしまった)に
「とにかく頼んでみること」
を進めているものがあった。

世の中には
「たぶんだめだろう」と
初めから諦めてしまうことが多い。
でも、とりあえず聞いてみる、
頼んでみることで
相手から「YES」を引き出すのは
そんなに難しいことではない、
と書いてあったのを思い出した。
人は誰でも 
誰かの役にたちたい、
誰かを喜ばせたい、
という思いを根底に持っているものだから、
ひょっとするとあなたの望みを聞き入れてくれるかもしれないと。

私は彼女が何故、
レストランで働きたいと強く願っているのかを知っていたから、
なおさらだった。
彼女の意図がどこにあるのか、
彼女がその先に何を見たいと思っているのか、

それらは彼女と初めに面接したときに聞いていた。

でも、
私たちの側から見てみれば、
彼女がどこまで私たちの期待に応えられるのか、
それが疑問になってしまっていた。

ある期間、
新しい仕事を覚え、理解するために一生懸命に働くのは
自分自身のためで、
もちろんその自分自身のためだけにも、
力を発揮できない気の毒な人もいるけれど、

いったん人並みに仕事ができるくらいになって、
今度は
「自分のため」から
「お客様のため」、
「店のため」に 頑張れるようになったとき、
その人が飛躍的に伸びていくのを私は何度か見てきた。
それはまさしくさなぎから蝶へ、というくらいの飛躍で、
いつまでたっても
「自分のため」だけに仕事をしている人とはものすごい差がついてくる。

私は「もう一度チャンスが欲しい」という彼女が
「お客様のために」頑張ることがどんなに楽しいことか、
いづれ知るようになればいいな、と思う。
そうすれば彼女の笑顔も自然と輝いてくるはずだから。

もし彼女がここでそんな気持ちにならなかったとしても、
「誰かのために」が、
「自分の楽しみ」になるような仕事を今度は見つけるように
私が彼女を口説くことにしよう。
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# by S_Nalco | 2012-11-24 10:41 | ホスピタリティ

ベイビー・シャワー

アメリカのホーム・パーティには
「ベイビー・シャワー」というのがある。
生まれてくる赤ちゃんのために
プレゼントを持ち寄って集まるパーティで、
私はこのパーティが一番好きだと思う。

たいてい妊婦さんの友人が呼びかけて、
基本的には女性だけの男性立ち入り禁止のパーティ。

生まれてくる「赤ちゃん」を期待しながら、
妊婦さんを囲んでの食事、
「ベイビー・シャワー」お決まりのゲームや
ハンド・ワーク、
プレゼントのお披露目と続き、
切り分けたケーキを頂いておひらきとなるのが定番で、
女性だけ、という集まりが創るエネルギーも手伝ってか、
それは、それは和やかで
温かなパーティになる。

私も長女が生まれる前には友人がしてくれたし、
自分も友達のを何度か催したこともある。
ここ数年では年齢的にか、そんな機会も来なかったけれど、
今年は 私の若い友人や、
年上の友人の娘の出産を控えて
4つもベイビー・シャワーに参加できて
とても嬉しい。

私は長女を生むときに
アメリカで保険もないし、お金もないし、
で 分割払いにしてくれるお産婆さんを友人に紹介してもらって
自宅出産をしたけれど、
それがきっかけで、
自分の暮らしや考え方を大きく見直すことになった。

その後、次の子を妊娠して、
最終的には夫と二人で出産をすることを選んだときにも、
自分で「大丈夫」、と思えるまでのプロセスは、
今でも私の一部になっている。

友人にも、自宅出産や自然分娩を望む人がいて、
妊娠中から体調だけでなく、食事にも有機野菜だけを選ぶなど、
ずい分気を使っても、
最後の最後で
それが叶わずに、大きな病院に運ばれて
帝王切開になったりすることもある。

でも、思いがけない展開になったとしても、
最後に元気な赤ちゃんが生まれてくれば
それで全ては帳消しになるし、
妊娠期間の間に自分が考えたこと、やったことだけは
きちんと自分の中に財産として残っていくものだと
まわりを見ていてもそう思う。


さて、来月の初めには、たぶん今年最後のベイビー・シャワー。
今から何をプレゼントに選ぼうかと、
ショッピングに行くのを楽しみにしている。
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赤ちゃんの肌着にパーティの参加者がそれぞれに
好きな布を選んで、好みの形に切り抜いてデザインしたもの。
楽しかった~。
これまでで一番嫌だったのは、
ベビーフード(市販のビン詰め)の中身を当てるゲーム。
ほんとに不味くて、
悲しくなるほど(笑)!
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# by S_Nalco | 2012-11-10 14:08 | 日記

思いを現実化する

友人が引っ越したばかりの家で
ホームパーティをするというので行ってみた。

舗装されていない山道をドライブすることおよそ20分、
何もない殺風景な細い一本道を外れて降りると大きくて立派な家が現れた。

眺めのいいオープンキッチンと、ダイニング、リビングが続き、
階下には、プールとホット・タブがブドウ畑を横に設備され、
ベランダからは山々と、彼女が作る野菜畑が見渡せる。

一人暮らしの彼女が
どうして4ベッドルーム
(彼女の部屋のクローゼットにはきっともう一つベッドが置けるくらいに広い)
もある大きな豪邸に
女王のように住んでいるかというと、
実はそこは彼女の兼仕事場。

身体のデトックスを目的にした4日間のリトリートをするための“仕事場”。

「前に彼女が住んでいたのは、
ほんとうに小さな家だったのよ、
まるでNalcoたちのようにね」

パーティには共通の女友達が多くいて、
なんだか懐かしい気持ちになる。

そして、私がレストランをする前は、
丘の上の小さな、小さな家に
家族5人で住んでいたことを知っている別の友人が言う。

そんな小さな家で、彼女はすでにリトリートを始めていたのだった。

「小さな家だからスペースが足らないとか、
言い出せば、やらない理由なんていくらでも出てくるけど、
何だかんだ言わずに、
とにかくその時にできることをやってみる、
そうでしょ?、
そうすれば物事は展開していくのよ、こんなふうに!」

そう言って、
誰もが認めるドリーム・ハウスの女主人が
家の中をツアーしてくれる。

彼女のリトリートは一度に4人が定員と決まっている。
4日間、ロウ・フードなどの食事療法を中心にして、
マッサージ、体操、腸の洗浄なども指導して、
体内の毒素を出していく。

そのリトリートのためには、
この家は機能的、広さ、景色のよさまで理想的だった。
オーガニックの野菜を堪能しながら、
心身ともにリラックスできる環境・・・、

とにかくやってみる、
行動してみる。
宇宙はいつも
あなたに「YES!」と言って応援したがっているのだから。

そんな言葉を思い出した。

「ねえ、こんな家がいつかあなたのもとに、来るのを知ってたんでしょ?
どうやって引き寄せたのよ?」

ベランダから階下に降りていく友人の背中に向かって問いかけてみた。

「もちろん絵に描いてイメージしていたわよ、
他の家に決まりそうになったこともあったの。
でも、そのときに自分のイメージを絵にしたスケッチ・ブックを開いたら、
色々妥協していたとこがあることがわかって、
その話は断ったの。

その後、すぐにこの家に出会ったのよ。
パーフェクトだったわ。
この家の持ち主だった人はすぐそばにある葡萄畑を保有しているから、
その世話や、その他のことを私がすることで、
ずい分月々の支払いがお得なの。
だからこんな家に住んでいられるのよ!」

私は彼女の話を聞いてとても感心してしまった。

私はこれまでにどれだけの妥協をしてきただろう、
と彼女の話を聞いて思った。

私も、自分の思い描くものを
書くことによってイメージしながら
プランするけれど、
提示されたものに対して
なんとなくイメージにあっていれば文句を言わずに、
というかあまり深く考えずに受け取ってきたから、
100%イメージどおり、
といかなくても、自分で理由をつけて妥協していた感がある。

いや、そもそも、彼女のように細部まで
そんなふうにイメージしていたことがあっただろうか?

それほど彼女の新しい家は、
彼女のビジョンにしっかり対応して、
その家で、
彼女はますます輝いて、
やりたいことをめいっぱいやっていけると思った。
それは、
彼女の自分の大好きな仕事に対する情熱の現れと、
一歩先を行く行動力・・・。

おめでとう!

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彼女家のベランダからのぞいていた、可愛い兄弟たち。
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# by S_Nalco | 2012-10-31 15:38 | コミュニティ