「ほっ」と。キャンペーン

日本町にて

10月は私とふたりの娘の誕生月。
長女はもう家を出ているので、
3人でサンフランシスコにある日本町でお祝いしましょうということに。
我が家からはおよそ3時間弱のドライブ。

家族に会う意外は日本語を使うこともない長女のお目当ては、
やっぱり日本食とおやつ、スイーツ、
日本の雑貨屋さんめぐり、
カラオケ・・・

アニメ大好きの末娘は、
紀伊国屋書店で、
おこずかいをはたいて漫画を買い放題・・・
回転すし、
100円ショップ(こちらでは$1.50になるんですが)、
ハロー・キティ、
高校の友達のお土産にと、日本のお菓子をどっさり。

うちもいちおうスシ屋なんだけどな、
くるくる回ってるおスシが好き、なんてかわいいなあ、
なんて思いつつ、
実は私も好き。
待たずにすぐ食べられる、
というところに
どうしても感動してしまう。
(私のほうは、お待たせして食べてもらっている商売だけに?)

私は、
もちろん日本の本、
と、
日常からすっかり離れてくつろげるホテル・・・
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日本町にある、HOTEL KABUKI
当日、行ってみるとお部屋がアップ・グレードされていてラッキー!

バースディ・ディナーは日本町から2-3ブロック歩いた場所にある、
YOSHI's
Seasonal
Simple
Surprise
という日本人シェフの信条がそのままお皿にのっていて、
雰囲気もサービスもとても好きでした。

ところでサンフランシスコは
10月1日からお店でのプラスチックの買い物袋はすべて禁止になって、
袋が必要な場合は、紙袋かとうもろこしなどが原料のプラスチック風の袋が
20セント。
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私の住む小さな町でもいずれそんな流れになるようで、
去年、通達が店に届いている。
法律として施行されるのはまだでも、
すでに店によっては有料にしているところもあるし、
うちでもとうもろこし原料のバッグを使用しているけれど、
テイクアウトのお客さんの意識はかなり
「NO BAG!」。

さて、帰りのドライブでは来年の10月はどこへ行こうか?と、
もう次の誕生日の話に。
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# by S_Nalco | 2012-10-20 14:58 | 日記

グラジオラス

最近入ってきた20代前半の男性は、
見かけがなんだか漫画チックで
ロックなかんじ。
(プレスリーみたいな髪型で・・・笑)

皿洗いで来てもらっているから
私はちょっと遠くから眺めている。

初めて仕事に来た日、
ダイニングのマネージャーが夜遅くに電話してきて、
何事かと思えば、
彼の仕事ぶりが 
IMPRESSIVE! (すごくいい!)
だと興奮して・・・(笑)。

キッチンに入る人は
どんな人でも一度は皿洗いをやってもらう。
そうすると、
たいていのことはわかる。
仕事に対する態度、
最後まで仕事をきちんと終えることが出来るか、
手際はどうか、などなど。

皿洗い、決してあなどれない。

それがダイニングのマネージャーだけでなくて
一緒に働く他のみんながすでに、その彼を
「大好き」で。

そんな光景を眺めていた。

近所の大手スーパーマーケットでの仕事を
メインにして働いているので、
うちに来るのは週2日の夜だけ、
と聞いていたのに、
いつしか毎日彼の顔を見るようになった。

どうしたの?
と、キッチン・マネージャーにたずねると、
スーパー・マーケットは辞めて、
うちをメインにして働くことにしたんだと。

「それはうちにとってはGOOD NEWSね。
 でも、何故?
 あちらのほうが、いろんなベネフィットがあるし、時給もいいんじゃないの?」

再度たずねると、

「あっちには リスペクトがないんだってさ」、と。

そうか、
そういう理由でうちに来てくれるのか、と思った。



昨日、
お店のためのお花を買ってきて、
とりあえず、バケツに全部 入れておいた。

店内のための色とりどりのグラジオラス。
バスルームのための、
これが今年最後になると思われる小さな顔したヒマワリの束。
店の外に出してある、5つのテーブルのための オレンジ色のカーネーション。

活けるために花びんを出して用意していると、
仕事を終えて帰り際だった、彼が立ち止まって言う。
「花がすごくキレイだね!
僕はとくにこの花が好きなんだ」
そう、グラジオラスを柔らかに撫でながら言う。

ロックななりで、
およそ彼がそんなことを言うなんて思ってもみなかったのに、
それがあまりにも自然で、心からの言葉だと思えて、
なんだか不思議だった。

そして彼がここで働くことに決めたことは、
ごく自然なことだったんだと腑に落ちた。

昨日の、
グラジオラスに触れた彼の手の温かみが
こちらにも伝わってきそうで、
今日も、そのことを思い出すだけで
私の心はほっこりする。
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# by S_Nalco | 2012-10-11 02:42 | 日記

自分の居場所

店にスタッフとして入って来る前からの知り合いで、
人柄がとても良く、他での仕事ぶりも良いことがわかっていたので、
店で働きたい、と言われたときにはすぐに返事をした。

ところがその彼、
仕事がなかなか覚えられない。
スピードがあがらない

辛抱強く人を育てていくことには、
なかなか定評があるうちでも、
なんだかなあ、という感じの雰囲気になってきたそんな頃。

ある日、
そんな彼と同じ年代の男性が入って来た。
入った日から全開、
早いし、器用。
いっしょに働いて楽しい人らしく、
すぐに店のスタッフともうちとけた。

ふたりのまな板を隣り合わせにして、
競わせたら、
彼は自分ののろさ加減に気づくんじゃないか、
そうしてみよう、

そう提案してきた別のスタッフがいた。

それはひどいな。
そんなことをすれば彼のような人は
ますます自信をなくしていくだけだ。



適材適所、
という言葉があるように、
こんなところに置いておく
私たちのほうに責任があるんじゃないかと思い始める。
彼にはきっと、違う居場所があるのかもしれない。


やっぱり何年も前に
仕事は丁寧でも、速度がそれ以上に伸びない、という人がいた。
でも、マイペースで、何でもこつこつとやっていく勤勉タイプ。

いつか、自分の本当に好きなことを
仕事にしていく人だと思っていたので、
聞いてみた。
「どんなことを将来やろうと思っているの?」

「まだ、わからない。
でも、人から ありがとう、って言われることをやりたい」。


そう言っていたことを思い出した。



誰かに、

「ありがとう」

と言われることで
人はこの世界の中に、
「自分の居場所」を見つけられるんだと
何かの本で読んだ。


人と競って自分を知るのではなくて、
自分なりにとことんやってみて、
自分を知ってほしい。

どこに行けば、
自分への
たくさんの「ありがとう」が見つけられるのか、

それには今、目の前にあることを
真剣にやっていくしかないのだから、

もうしばらく、
彼を見守っていようと思う。
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# by S_Nalco | 2012-10-02 03:46 | 日記

3つめの答え

レストランも10年近くやっていると、
その時その時の決断がずい分やりやすくなった。

これまでの経験値があるので、
どうすればいいのか頭の引き出しからいろんなものが出てきて、
掛け合わせて答えが出てくる。
ちょうど、冷蔵庫の中を見て、
そこにあるものでちょっと洒落たディナーが出来上がるような・・・。

何でも長く続けるというのはこういうことなのかと思う。

けれど、同時に
いつも新しい可能性にも心をオープンにしておくのはとても大事なこと。
それなしには面白さも発展もなくなってしまう。

これまでの経験では「1」と応えていたものを 
あえて「2」にしてみて、
新しい「3」という解答を自分の引き出しに入れてみる。
「人」相手の商売では、
沢山の引き出しと柔軟性で対処した、
小さな結果の積み重ねが
長い目でみたときに成果を生んでくれる。



ところで先日、若い男性が履歴書を持って現れた。


皿洗いで構わないから雇ってほしい。


痩せた、優しそうなまだ20代前半か、10代後半にも見える。
(こちらの履歴書には、写真の添付も生年月日、年齢も必要ない)。

告知もしていないのに、
一ヶ月のうちに履歴書を持った人が何人も現れるけれど、
私や夫がいつも店にいるわけではないので、
とりあえずスタッフがそれをファイルにしまっておく。

私と夫が後で一応目を通すけれど、
たいてい私たちが人を雇うのは、誰かの紹介、というケースが多い。

それかたまたま、
私が店にいたときに履歴書を持って訪れる人。

実際に会って話すと、うちに来る人、というのはピンとくる。
それに「たまたま」店に来たときに私がいたという事実も、
ここに縁がある、と言う風に私は解釈している。

それがこの若い男性のときには、
私と夫、二人がちょうどテイクアウトの店内で話しをしていた時だった。

二人で履歴書を見ながら言った。

「あなた、あそこのレストラン(近所にある)、つい最近辞めてるね」

彼はとても恥ずかしそうに言った。

「何回か遅刻したんです。
それでクビになりました。
でもそれ以外はちゃんと働いていたので、
もし必要だったらそのレストランのオーナーに電話してもらっても構いません」

夫は面白そうに彼を眺めて言う。

「遅刻はメジャ-な問題だね、
でも、そういう経験をした後の君は、もう新しい君なんだろう?
そんな前のことは僕らも忘れるから、
この土曜日に仕事においで。」

そんな簡単なやりとりで、ラッキーにも彼は仕事を得るチャンスを得た。

それなのに、

彼は当日、10分も遅れてやってきた。

「5時15分、っていう約束だったっけ?」

あまりの展開に夫は自分のほうを疑って彼にたずねた。

「いいえ、5時です。すみません、遅れました。」

「そうか。
次に仕事をもらったら、初日くらい絶対遅刻するんじゃないよ、
もう帰っていいよ。」


これまでの経験で、
私たちは「人は変わる(成長する)」ということを学んだ。
でも、それにはとても時間がかかることもあるし、
変わらないからといって、誰も、誰かを責めたりできない。

いつだってコントロールできるのは、
それに対して自分自身がどう反応して、どう行動するかだけだ。

それでも、いつでも新しい可能性を
試してみる、
今日は昨日の続きではないよ、
と物事を、人を、
生まれたての視点で見ていくことを
経験値と同時に持ち合わせて仕事をしていけるのは、
とてもわくわくすることだと思う。
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# by S_Nalco | 2012-09-17 05:32 | 成長

山火事

私の住む町の名前は
この地域にもともといたネイティブ・アメリカンの言葉で、
「山に囲まれた谷」
という意味らしい。

日本の、
瀬戸内海の緩やかな山並みにも似て、
見渡していると
自分の小さい頃を思い出す。

けれど、ここは夏の間は「決して」、
というくらい雨が降らないせいで、
毎年山火事があちこちで発生している。
もちろんこの近辺だけでなく、
山並みが続く、お隣のカウンティの火事の煙が
こちらまで届くということもあって、
夏にはつきものの、山火事。


先週も山から煙が上がっているのが見渡せた。
買い物の帰りに、
もくもくと続く煙と、
消火の為、行き交うヘリコプターの音を聞きながら、
自分の日常のすぐそばにある、
非日常を思った。
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こんな様々な非日常が、
世界中で起こっていることを思い出すと、
当たり前の普段の暮らしが
当たり前でなくなる。
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かなり前になるけれど、
家族で山の中で暮らしていた時に
山火事で避難のために山を降りなければならないことがあった。

私は当時住んでいた山と、
山の暮らしが大好きだったので、
山火事のあと、変わりきってしまった山の様子にずい分泣いた。

真っ黒な大地、
足が埋まってしまうくらいの灰の森、
倒れて煙を吐く木々。

それでも私たちが住んでいた山小屋は焼け残り、
やはり焼けてなかったソーラーパネルのお陰で、
山に戻ってきたその日の夜も、
明かりを灯して、
家族で食卓を囲むことができた。

非日常の山火事のあとの、
真っ黒な大地の中に
ぽつんとある、
山小屋の中の
それは小さな、小さな日常だったと、
今ならそう振り返られる。

どんなことが起こっても、
淡々と、暮らしていくことが
この自然界なのだと、
毎夜、見上げていた星空を鮮やかに思い出す。

その時の火事は、
山の尾根をどこまでも南下して、
1ヶ月以上も続いた。
だから、その年にこの辺りで収穫された葡萄で作ったワインは
心なし、煙の香りがする。

私は一口飲んで、好きではないと思った。
でも、歴史を語るそのワインを好む人は多くて、
今も誰かのワイン貯蔵庫に眠っているかもしれない。
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# by S_Nalco | 2012-09-12 01:13 | 日記