どうしてこんなところに来たの? 地元の人によく聞かれる質問。 そんな小さな田舎町に7年前、日本食レストランを開いた。 「レストラン、やろうよ!」 夫に言われたときは、断固反対。 「家族そろってごはんが食べられなくなるのは いや。」 私の切り札を、彼はこともなげにこう返した。 「町の人みんなが家族、って思えばいいじゃん」。 ・・・・・・。 夫からまっすぐに見つめられて、にっこりこんなふうに言われたら、どんなふうに答えますか? 私は、一瞬戸惑った。ひるんだ。 彼のいつもの、呆れるほどのまっすぐさ。 そして彼が大きい絵を見れば見るほどに 私は目の前のものを見る。 「いいよ、 やればいいよ、 でも、私はやらないよ、私は子供といる」 結婚して14年。 3人の子供たちとの暮らしは平和で、私はずっと専業主婦。 お金がなくても自由と平和があるさ、 そんなヒッピー系の人たちも暮らす、ぶどう畑に囲まれた町で 私たち家族もそんなだった。 お金よりも時間、 先のことよりも今、 樫の木に囲まれた丘の上で、落ち葉を踏む音を聞きながら散歩。 それがいちばんで、 5人家族にしては びっくりするくらい小さい家も、友人からもらった70年代の車も、スリフトストアーで調達してくる服も、ぜんぜん気にならなかった。 自分の暮らしが大好きだった。
by S_Nalco
| 2010-08-29 16:05
| はじまり
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北カリフォルニアでのお気楽ヒッピー暮らしから、2003年、広島風お好み焼きとおスシをメインにした日本食レストランを開きました。3年後には店のお客様10組から支援を受けて、店の建物を購入、テイク・アウトの店をさらにオープン。町角の小さな「お好み焼き屋」をと思っていたのが、現在店はスタッフ30人のファミリーに。
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